メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

草津白根山の噴火 「不意打ち」の怖さ示した

[PR]

 草津白根山(群馬、長野県境)の本白根山が噴火し、自衛隊員1人が死亡、スキー客ら11人が負傷した。

 直前の噴火警戒レベルは最も低い「1」で、地震など火山活動の高まりを示す前兆現象もなかった。火山噴火を予測する難しさが、改めて突き付けられたといえる。

 草津白根山は白根山、本白根山、逢ノ峰の総称で、気象庁が常時監視する50火山の一つだった。

 ただ、気象庁が重点監視していたのは、このうち白根山だった。1983年に水蒸気噴火を起こすなど火山活動が活発だった一方、南に約2キロ離れた本白根山は3000年間噴火していないと考えていたからだ。

 その結果、本白根山には監視カメラが置かれていなかった。噴火直後に群馬県草津町から噴火情報が寄せられたものの、気象庁は確認に手間取り、入山者らに噴火を迅速に知らせる「速報」を出せなかった。

 入山者らの安全確保を最優先にした体制の再検討が必要だ。

 予算に限りがあることは理解できるが、各地の火山での、監視カメラ拡充なども進めてほしい。

 草津白根山で、より大規模な噴火が起きれば、高温の噴出物が雪や土砂を巻き込んでふもとに流れ落ちる「融雪型火山泥流」が発生する恐れもある。草津町などは、泥流の到達する恐れがある区域などを示したハザードマップを作成済みだが、白根山の噴火しか想定していない。本白根山の噴火にも対応したマップの作成を急いでもらいたい。

 2014年の御嶽山噴火を教訓に活火山法が改正され、常時監視50火山の関係自治体は、観光客を含めた避難計画の策定が義務づけられた。しかし、対象となる自治体の取り組みは遅れ気味で、草津町もまだ計画の策定はできていない。

 同町の草津温泉街は噴石などに警戒する範囲の外だが、予約客の問い合わせが相次いだ。正確な火山関連情報を提供すると共に、避難計画を策定しておくことが、今後の風評被害対策にもつながるはずだ。

 日本には111の火山があり、その周辺では、今回と同様の事態がいつ起きてもおかしくない。不意打ちの噴火に備え、関係機関や自治体は、監視体制の強化や避難計画の策定などに取り組む必要がある。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「自粛要請知らなかった」出歩く若者も 福岡・天神コア「すごい人で驚いた」人も

  2. たばこを吸っていると新型コロナで重症化しやすいのは本当か 専門家が警告する

  3. 新型コロナ不況になぜ1人20万の給付金が必要なのか 反緊縮・経済学者の提言を読む

  4. 「NY封鎖」猛反発受け撤回 トランプ氏また迷走 死者2000人突破で焦る大統領

  5. 新型コロナで都市封鎖は実行されるのか 小池都知事「ロックダウン」警告の真意

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです