特集

シネマの週末

ベテラン映画記者が一本の映画をさまざまな視点から論評を加えます。チャートの裏側も紹介。

特集一覧

シネマの週末・この1本

サファリ 狩猟めぐる現実直視

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 ドキュメンタリー映画を撮る際、対象者が社会的な問題をはらんだ存在である場合、製作する側の葛藤は深い。なぜなら対象者と深い関係を築かなければ、その深部を撮影することはできないが、一方で、彼らの望む言説や姿ばかりを紹介しては、ただの宣伝映画になってしまうからだ。しかし、一部のしたたかな監督たちはあくまで相手に寄り添う“ふり”を貫きながら、対象者の抱える欺瞞(ぎまん)をスクリーンに映し出す。「FAKE」の森達也監督しかり、そして、本作のウルリヒ・ザイドル監督もその一人だ。

 本作は、アフリカで名誉や快楽のために動物のトロフィーハンティングを続ける白人たちを追ったドキュメンタリー映画である。カメラは彼らの活動を淡々と映し出す。高原で身を潜めながら遠方の獲物を狙う狩猟の様子。彼らの言い分もたっぷりと映す。「年老いた動物や病気の動物を撃つことは救済でもある」「繁栄の助けになっている」「アフリカの人々が経済的に潤う」等々。

この記事は有料記事です。

残り950文字(全文1360文字)

ご登録から1カ月間は100円

※料金は税別です

あわせて読みたい

注目の特集