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社説

NHKの3カ年経営計画 自己都合の拡張では困る

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 国民の理解を得られる公共放送の将来像を描いているだろうか。

     NHKが2018年度から20年度まで3カ年の経営計画を策定した。放送に加え、インターネット配信も活用した「公共メディアへの進化」を重点方針の第一に掲げる。

     事業支出は、18年度7128億円▽19年度7225億円▽20年度7316億円を見込んだ。公共性の議論が深まらないまま、自己都合で業務を広げている印象はぬぐえない。

     「公共放送とは何か」は法的にも具体的には規定されていない。

     NHKは、スマートフォンやパソコンで常時同時配信だけを利用する世帯からの「ネット受信料」徴収に意欲的だった。だが肥大化と批判され、昨年9月に先送りを表明した。

     昨年12月の受信料訴訟で、最高裁は契約の義務を合憲と判断したが、NHKに対しては「公共の福祉のための放送」を求めるにとどまった。

     国民の間には契約義務に不満の声もある。NHKは公共放送の看板にあぐらをかいてはいけない。

     経営計画では、昨年度に過去最高を記録した受信料収入がさらに増加する見通しになっている。

     そうした中でNHKは前会長からの懸案だった値下げではなく、一部学生らへの減免措置をとった。

     値下げ見送りについて、上田良一会長は、超高精細映像4K・8Kの実用放送が近いなどとし「中長期の資金見通しが必要」と述べた。

     さらに石原進経営委員長は、放送センターの建て替えなど将来投資の必要性にふれ、「一度値下げすると再値上げは難しい」と語った。

     しかし、巨費を要する計画がどこまで必要か。NHKが分かりやすく説明しているとはいえまい。

     業務や経営、報道のあり方にも、問題は山積している。受信料着服などの不祥事は後を絶たない。記者の過労死が明らかになった。政権との距離感に疑問を抱かせるような放送も改まってはいない。

     経営計画の初年度となる、NHK予算の審議が国会で行われる。総務相が付ける意見書では、既存業務の見直しや受信料の引き下げについて検討を求める案が出ている。

     国会の予算承認は公共放送の将来を考える機会にもなる。国民目線で議論をしてもらいたい。

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