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社説

超高齢化への介護報酬改定 認知症の対策が足りない

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 2018年度の介護報酬改定の内容が決まった。医療と連携して退院支援やリハビリを強化し、自立生活を促すことなどが柱だ。

 高コストの病院内で高齢者を抱え込むのではなく、介護施設や地域生活の支援を強化するのは重要だ。

 ただ、認知症への対策はまだまだ不足している。必要な介護人材を確保し、対応を急がねばならない。

 今回の報酬改定では、利益率の比較的高い通所介護・デイサービスの基本報酬を下げ、リハビリ専門職と連携した機能訓練を実施する介護事業所への加算を手厚くした。

 もともと通所介護などは家族の負担軽減の意味合いの強いサービスだった。機能訓練を積極的に行うのは、高齢者自身の自立生活にサービスの目的を向けることを意味する。

 認知症をはじめ要介護度の高い高齢者はこれから急増する。従来の退院促進や自立生活支援だけでは間に合わない現実もある。

 重度の認知症の人を受け入れたり、認知症に対応できる職員を配置したりすると報酬が加算される。加算の対象をショートステイなど在宅の高齢者を支えるサービスにも拡大する。さまざまな介護サービスが、認知症の人を受け入れられるようにするのは大事だ。

 問題は、介護職員が十分に確保できるかどうかである。

 介護事業所の多くは深刻な人手不足に陥っている。徘徊(はいかい)などによる事故を防ぐため、介護現場では高齢者の体を縛るなどの拘束が横行している。支援スキルのある職員が不足しているからである。

 一方、身体拘束をした場合はその状況を記録し、報告することが義務づけられている。それを怠ると報酬の減算というペナルティーが科される。今回の改定では身体拘束に対する報酬減算が強化される。

 ただ、介護現場の体制が不十分なままペナルティーだけ強化すれば、病院への「逆流」が強まるだろう。現在も精神科病院には認知症の人が5万人以上いる。病院では「医療行為」の名による身体拘束が黙認されているためでもある。

 介護施設ではカメラやセンサーの設置にも加算が付くことになった。人手不足の中で認知症の対策にあらゆる努力を試みるべきだろう。

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