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我らが少女A

/175 第5章 21=高村薫 多田和博・挿画監修

 しのつく雨が安普請のハイツの屋根を叩(たた)き続ける。耳から入ってくるその音に脳味噌(みそ)を直(じか)に叩かれながら、浅井忍はベッドに沈み込んだまま動けない。処方薬を欠かさず服用し始めたら、これだ。ドラクエ11は初回クリア後、裏ボス攻略に備えてレベル上げをするつもりでイベントをいくつかこなしかけたが、どこかで手が止まってしまったのが昨日だったか、一昨日だったか。伸ばした手の届くところからコントローラーも消えてしまい、代わりに掴(つか)んだのが空のペットボトルだった。それを投げ捨て、両肘を支えにして三十センチ這(は)い出し、また頭から脱落する。

 おい起きろ、なんとか起き出してこの無間(むげん)地獄みたいな怠惰にケリをつけなければ、また仕事を失…

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