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第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。1月28日の選考委員会も速報します。

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晴れ舞台に照準 国学院栃木18年ぶり出場

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センバツ出場が決まり、喜ぶ国学院栃木の選手たち=栃木市で2018年1月26日午後3時56分、小川昌宏撮影 拡大
センバツ出場が決まり、喜ぶ国学院栃木の選手たち=栃木市で2018年1月26日午後3時56分、小川昌宏撮影

 甲子園まで「あと一歩の壁」を、ついに乗り越えた。26日に開かれた第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会で、国学院栃木の18年ぶり4回目の出場が決定した。春夏通算5回目の出場で、県勢の出場は2年連続。国学院栃木は2000年の春4強以来となる甲子園に挑む。大会は3月16日に組み合わせ抽選会があり、23日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【李舜、萩原桂菜】

 午後3時15分ごろ、国学院栃木高(栃木市平井町)校長室の電話が鳴った。受話器を取った青木一男校長は「ありがたくお受けいたします」。電話を切ると、思わず拳を突き上げた。報道陣が詰め掛けて緊張感に包まれていた室内の雰囲気は和み、学校関係者から歓喜の声が上がった。

 その後、授業を終えた野球部の選手たちが体育館に集合。青木校長から「センバツ出場が決まりました。おめでとう」と正式に「吉報」が伝えられ、保護者やOBから拍手が湧き起こった。緊張気味だった選手たちにも、次第に笑顔の花が咲いた。

 00年春、選手としてセンバツに出場したOBの柄目直人監督は「18年前を昨日のように思う。その年に生まれた選手たちと、また、あの場所に行けるのは縁だと思う。ベストコンディションで試合に臨めるようにしたい」と感慨深げに話した。

 昨秋は左右3投手による「分業制」を確立。それぞれが持ち味を発揮し、勝利をたぐり寄せた。公式戦全試合に先発した右腕の水沢龍太朗投手(2年)は「秋は後ろの2人に助けられた。センバツではチームを勝たせる投球をしたい」と決意を込めた。中継ぎの技巧派左腕、渡辺匠投手(2年)は「冬に体を大きくし、全国で通用する投手を目指す」と目標を掲げ、抑えを担った本格派左腕、宮海土(かいと)投手(2年)は「甲子園で自分の力を試せるのは楽しみ。与えられた役割をしっかりと果たしたい」と力強く語った。

 投手陣を引っ張った捕手の大久保謙亮主将(2年)は「秋は投手陣のおかげで勝てた。甲子園では打たないと勝てない。打てるチームになるため、チーム一丸で打撃練習に取り組んでいきたい」と話し、表情を引き締めた。その打線のキーマンと言える勝負強い打撃と俊足が魅力の青木寿修(ひさなが)選手(2年)は「甲子園でもチャンスで打てるようにバットを振り込んでいきたい。いい捕手を相手に盗塁も決めたい」と意気込んだ。

 夢だったセンバツが現実となり、選手たちは改めて課題を胸に、晴れ舞台に照準を合わせた。

号外配布

 国学院栃木のセンバツ出場決定を伝える毎日新聞の特別号外約1000部が26日、栃木市平井町の同校などで配られた。

 同じクラスに野球部員が6人いるという篠原美夢(みゆ)さん(17)と保坂真輝さん(17)は「今日一日、ドキドキしていたが、センバツ出場が決まってとてもうれしい。甲子園に行って応援したい」と笑顔だった。

「とちぎの元気」発信を

 福田富一知事 国学院栃木野球部の皆さん、おめでとうございます。最後まで諦めない全力プレーで「とちぎの元気」を全国に発信してください。皆さんの活躍が多くの県民に感動を届けてくれることを期待しています。

郷土の誇りを胸に

 鈴木俊美・栃木市長 出場決定、誠におめでとうございます。18年ぶりに、甲子園に出場されることをうれしく思います。郷土の誇りを胸に、自慢のチームワークと機動力を発揮し、躍動されることを期待しています。

国学院栃木旋風を

 小林綱芳・県高野連会長 心からお祝い申し上げます。県からは2年連続の出場であり、関東そして栃木の代表として、チーム一丸となって練習に励み、全員野球で、甲子園でも国学院栃木旋風を巻き起こしてください。

校歌を何度も聞けるように

 元プロ野球・ロッテ投手でOBの渡辺俊介さん(社会人野球・かずさマジック投手兼コーチ) おめでとうございます。私には経験できなかった甲子園出場を目指し、成し遂げた後輩の皆さんをうれしく、うらやましくも思います。あの場(甲子園)に流れる校歌を何度も聞けるように祈っています。

躍進の原動力は投手陣

 国学院栃木は、昨年まで夏の栃木大会で3年連続決勝に進みながら、すべて作新学院に敗れた。雪辱の舞台は昨年10月、秋季県大会決勝。作新学院に5-4で競り勝ち、18年ぶりに優勝した。勢いに乗ったチームは秋季関東大会1回戦で市川越(埼玉)との投手戦を制し、2-1で勝利。準々決勝は慶応(神奈川)に2-3で惜敗したものの、ベスト8入りを果たした。

 躍進の原動力は、昨秋の公式戦チーム防御率1.50を誇る投手陣。全7試合で先発した右腕の水沢龍太朗投手(2年)、流れを呼び込ぶ中継ぎ左腕の渡辺匠投手(2年)、抑えを担った左腕の宮海土投手(2年)の「三本の矢」の継投で、勝利の型を作りあげた。

 7試合で完投はゼロ。初戦を除く6試合を3人がリレーした分業制だ。柄目(つかのめ)直人監督は「最初は誰か1人が育ってくれればと思っていたが、大会を通じて3人全員がエースを任せられる投手に育ってくれた」と話す。3投手とも防御率1点台と高いレベルでしのぎを削り、「先発完投」を目指している。センバツでは誰がエースナンバーの「1」をつけるかも注目だ。3投手の持ち味を引き出した捕手の大久保謙亮主将(2年)の好リードも光った。

 打線はチーム打率こそ3割に満たないものの、盗塁や犠打を絡めて好機を着実に生かした。中軸を担ったのは、3番・青木寿修(ひさなが)選手(2年)、4番・島田侑希選手(2年)、5番・近藤翔真選手(2年)。3人でチーム打点数(30)の半分近い14打点をたたき出し、クリーンアップの役割を果たした。特に青木選手は、大一番となった作新学院戦で、3安打と勝負強さを発揮。昨秋の公式戦はチームトップの打率4割5分8厘、5盗塁で打線をけん引した。

 大久保主将は「強豪校と互角に戦えることが分かった秋だった。チーム力を高め、『春』を迎えたい」。OBである柄目監督が選手時代に4強入りした2000年以来、18年ぶりの甲子園に挑む。

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