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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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由利工「思いがけないプレゼント」

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センバツ出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ由利工の選手たち=秋田県由利本荘市で2018年1月26日、宮武祐希撮影 拡大
センバツ出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ由利工の選手たち=秋田県由利本荘市で2018年1月26日、宮武祐希撮影

 第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の出場校を決める選考委員会が26日行われ、由利工(秋田県由利本荘市)の21世紀枠でのセンバツ出場が決定した。1962年の創立以降、甲子園出場は春夏通じて初めて。野球部員が率先してあいさつを励行し、「地域に愛される由工」の実践などが評価された。県勢のセンバツ出場は15年の大曲工以来3年ぶりで、21世紀枠は11年の大館鳳鳴以来7年ぶり2回目。また東北大会4強入りした能代松陽は一般選考の補欠校となった。大会は3月23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【川口峻、山本康介、森口沙織】

 午後3時2分、校長室の電話が鳴り響いた。夏井博実校長は受話器を取り、「ありがたくお受けします。全力で頑張るよう部員に伝えます」と返答。報道陣に「今連絡ありました。吉報です」と伝えると、大きな拍手が起こった。現在の気持ちを問われると、「涙が出るほどうれしいです」。

 同校のグラウンド近くには、部員の親など関係者約20人が駆けつけた。午後3時、ニュース速報で吉報を知った保護者らは歓声を上げ、抱き合って喜びを分かち合った。

 佐々木拓海選手(2年)の母陽子さんは偶然にもこの日が誕生日。「思いがけない誕生日プレゼントになりました」と時折言葉を詰まらせた。渡辺義久監督が姿をみせると、「名将!」と掛け声が飛び、快挙を祝福した。

 その後、授業を終えた選手たちがユニホームに着替え、一面雪が積もったグラウンドに集合。夏井校長が「出場おめでとう。甲子園に行くぞ!」と拳を上げると、緊張した顔つきだった41人の部員は「オー!」と雄たけびを上げ、寒さで赤くなった顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

 野球部の須田和仁部長は「野球だけでなく、人間的な部分も大切だと伝えてきた。評価していただいてうれしい」とほっとした様子をみせた。

 その後選手たちは監督を何度も胴上げしたり、帽子を高く放り上げるなどして、初出場の喜びに酔いしれていた。

 渡辺義久監督

 選んでいただいてありがたい。選手にはおめでとうと言ってあげたい。21世紀枠の候補になってから、高いモチベーションを維持して練習ができた。大会までしっかり準備しないといけない。

 畑山陸翔主将

 「地域に愛される由利工」を目指してきた結果、あいさつ運動を評価され出場が決まったのはうれしい。全国の常連校に勝って甲子園で校歌を歌えるよう、ひたむきな姿勢で強いチームを作りたい。

OBら関係者からも喜びの声

 由利工野球部OBなど関係者からも喜びの声が寄せられた。

 21世紀枠での選出理由になった「地域に愛される由工」を同部主将兼生徒会長として進めたのが、秋田市の会社員、渡辺瑞基さん(21)だ。渡辺さんは2年で生徒会長に就き、、校内に礼儀正しいあいさつを広めようと集会を企画。立ち止まって上体を20度の角度に傾ける姿勢を、部員とともに披露した。「後輩たちがあいさつ運動を受け継いでくれてうれしい。みんなで応援に行きたい」と話した。

 1977年卒業の同部OB会長、木村海芳(かいよし)さん(59)=にかほ市=は「新しい歴史が刻まれて感無量。最大限バックアップするので、OBの分も甲子園で大暴れしてほしい」とエールを送った。

 また地元の社会人野球チーム「由利本荘ベースボールクラブ」に所属する伊藤大地さん(23)=由利本荘市=は、かつて菊地浩介選手(2年)と一緒に練習したことがある。「菊地選手は負けず嫌い。甲子園でも気持ちで負けないプレーをしてほしい」と期待を寄せた。【川口峻、山本康介】

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