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我らが少女A

/176 第5章 22=高村薫 多田和博・挿画監修

 佐倉真弓、旧姓栂野真弓は多摩川の花火からもゲリラ豪雨からも切り離されて、娘と二人、午睡からほんの短い覚醒へ、そこからまた夜の眠りへと境目もなく移ろい続ける。生後四カ月になった娘は少し首が据わり、眠る時間も定まってきてずいぶん楽になった。片時も眼(め)を離せないことに変わりはないが、数カ月分の睡眠不足を取り戻すようにして、真弓もまた娘に負けじとよく眠る。

 もっとも、娘の肌の匂いや弾力や産毛の肌触りなどが知らぬ間に誘う夢はそれほど和やかなものではなく、む…

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