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『舞台の上のジャポニスム 演じられた幻想の<日本女性>』=馬渕明子・著

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 (NHKブックス・1728円)

 19世紀後半に隆盛を見たジャポニスム(日本文化を応用した西洋文化)については、美術をはじめ文学、建築、音楽など幅広いジャンルで語られてきた。本書は、パリで上演された演劇を素材に、そこで「日本人」がどのように表現されたかを論じた。映像の記録がない時代、現地の新聞・雑誌に掲載された劇評や挿絵を手がかりに、観客が目にした「日本」イメージを浮かび上がらせた。

 1879年にオペラ座で初演され好評だったバレエ「イェッダ」では、ヒロインの村娘は「短いスカートに上は着物風のデザイン」という奇妙な衣装だった。舞台装置の考証にも問題があった。その後、日本の情報は増えていったはずだが、舞台上の表現がそれに応じて正確さを増したわけではなかった。パリの人々が求めたのは「異国趣味に溢(あふ)れた舞台」であり、「きれいな着物や神秘的な宗教的雰囲気」などを盛り込んだファンタ…

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