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映画

「この世界の片隅に」ラスト上映 異例のロングラン

感謝状や花束を写真に収めるファン=広島市中区の八丁座で2018年1月26日、竹下理子撮影

 映画館「八丁座」と「サロンシネマ」(いずれも広島市中区)を運営する序破急は26日夜、アニメ映画「この世界の片隅に」の上映がフィナーレを迎えた。観客動員数は同社最多の4万2195人を記録。2016年11月12日の公開以来、441日という異例のロングランを支えたのはファンの存在だった。

 125人が見守った八丁座での最終回。蔵本順子社長が「お客さまのおかげ。スタッフから『いつやめようか』という話はなかなか出なかったが、始まりがあれば、終わりがある。また機会があれば絶対にやりたい」とあいさつすると、ファンらから「ここでなら、いつでも(主人公の)すずさんに会えた」などとする感謝状や花束が贈られた。

 映画は、戦時下の広島や呉が舞台。片渕須直監督は、今は平和記念公園となった中島地区など、にぎわっていた頃の広島の街並みを精密に再現して注目を集めた。八丁座は百貨店の福屋八丁堀本店内にあるが、映画では被爆前の福屋周辺も描かれ、「聖地巡礼」する人がヨーロッパなどからも訪れた。片渕監督は計7回、舞台あいさつしたという。

 すずの育った町として描かれる江波地区(中区)の会社員、坂本和則さん(56)は、「この世界の片隅に」を80回以上見たという。最終回を鑑賞した後、「江波の原風景を見られるようで、なぜかいつもここに来たくなった」としみじみ語った。

 映画の製作に協力した広島フィルム・コミッションの西崎智子さん(51)は、「監督は当時を知る人たちの人生に寄り添って取材された。本物の経験や気持ちが詰まっているからこそ、人々の共感を呼んだと思う。八丁座は、歴史が今につながっていることを体感できる場所。長く上映され、感謝しかない」と話した。【竹下理子】

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