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<第90回記念選抜高校野球>
昨年11月5日、秋季東京大会の決勝戦。2年連続のセンバツ出場がかかった大一番の先発は、中村奎太選手(2年)に託された。昨秋からベンチ入りし、公式戦で実績も経験も積んできた。マウンドに向かう時に頭にあったのは「全力で無失点に抑えて、井上につなぐ」との思いだった。
「思い切って投げろ」。七回、中村選手から激励されてマウンドを受け継いだ井上広輝投手(1年)は、一時はリードを許すが最終回まで投げ、チームは7年ぶりの大会制覇を成し遂げた。
「今年のチームの鍵は継投」。小倉全由(まさよし)監督は守りの戦略をそう語る。背景には、絶対的エースの不在がある。
「桜井が投げれば、まず打たれない」。小倉監督や三木有造部長らが口をそろえて信頼していた大黒柱が、桜井周斗投手(3年)だった。昨秋の東京大会では、桜井投手が全イニングのほぼ3分の2を投げた。決勝で早稲田実に敗れたが、注目のスラッガー、清宮幸太郎選手(3年)を5打席連続三振に封じ込めた。
その穴を埋めた一人は、井上投手。最速145キロの直球を武器に頭角を現し、昨夏の西東京大会も1年生でベンチ入りした。
「中村と井上の2人で一役かな」。小倉監督はそう語る。外野手と兼任し、攻撃でも中軸を担う中村選手と、成長の途上でもある井上投手。小倉監督は、2人の継投で「勝利の方程式」を描こうとしているようだ。
趣味の音楽でも気が合う2人。中村投手は「井上と投げ合ってチームを勝たせたい」と意気込む。井上投手も「中村さんと競い、成長できた」と話す。
継投の「鍵」は、この2人だけではない。
林玲介投手(2年)はキーマンの一人。直球を主体に組み立てる本格派の中村、井上両投手と異なり、林投手の最大の武器は変化球だ。独特のカーブで相手打線を手玉に取り、秋季東京大会では登板した4試合を失点0に抑えた。「林の存在は大きかった」。小倉監督もたたえる。
1年生の時に負傷し、チームを長期離脱した経験もある林投手は「1点も失ってはいけない場面でリリーフして抑えるのが自分の仕事」と自覚する。
そしてもう1人。秋季大会は結果を残せなかったが、背番号1を背負った左腕、河村唯人投手(同)も控える。
「4人全員が投げてきたから優勝できた」と中村選手。甲子園でも4投手が中心になり、勝利を引き寄せてくれるはずだ。【蒔田備憲】
秋季東京大会1次予選、東京大会、明治神宮大会の投手成績
氏名 利き腕 投球回 被安打 奪三振 防御率
河村唯人 左 4 6 4 4.50
中村奎太 右 24回2/3 26 22 2.55
井上広輝 右 23回1/3 23 22 3.09
林玲介 右 15 8 17 1.80
〔都内版〕
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