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第94回センバツ高校野球

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’18センバツ/2 東海大相模 共に踏み出す一歩 選手支える若きコーチ /神奈川

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センバツ出場が決まり、甲子園への意気込みを宮崎コーチ(左)に語る吉田選手=相模原市南区の東海大相模高校で 拡大
センバツ出場が決まり、甲子園への意気込みを宮崎コーチ(左)に語る吉田選手=相模原市南区の東海大相模高校で

 <第90回記念選抜高校野球>

 年明けからまもない今月11日、東海大相模の選手たちが暮らす寮の監督室で宮崎大将(だいすけ)コーチ(25)が3人の2年生と向き合って座っていた。「最近どうだ」。2016年春に就任した宮崎コーチに近況を聞かれた吉田元登選手(2年)は、言葉を濁してうつむいた。

 3日前の紅白戦。Aチームで三塁手として初回の守備についていた吉田選手はライナーを落球した。「しっかりやれよ」。初めてチームメートから厳しい言葉をかけられた。Aチームは歯車がかみ合わず、Bチームに敗北。それ以来、吉田選手は仲間の顔色をうかがって練習に集中できない日が続いていた。「自分がいる意味はあるのかな」。そう考え、これまでにないほど落ち込んだ。

 同じころ、宮崎コーチも試行錯誤していた。昨年末、年長のコーチから何気なく指摘された言葉にはっとしたという。「本当に選手第一にできていたか」。そう自問自答し、「自分を守っていたと思う」と振り返る。

 8年前、自身も伝統のタテジマのユニホームで甲子園に立った。門馬敬治監督(48)の指導のもと大舞台に臨み、センバツの初戦敗退から夏の準優勝までチームの飛躍を経験したが、全国優勝できずに悔しさが残った。「後輩に同じ思いをさせたくない」。指導者になることを心に決め、敗退したその日、甲子園で門馬監督がユニホームに付けていた監督証をもらいに行ったという。

 コーチとして母校に戻ってまもなく丸2年。面談で吉田選手の様子に異変を感じた宮崎コーチは、同席していた上杉龍平選手(2年)と山田拓也選手(2年)を先に部屋に帰すと、自身も日々悩みながら指導していることを話した。「俺も前を向いて頑張ろうと思っている。お前も次の一歩を踏み出すのが大事なんじゃないか」と語りかけ、「結果はついてくるもの。そのためにやるべきことをやろう」と励ました。そして、ボール球には手を出さない、ゴロは両手で捕るなど、基礎を改めて確認していった。

 「そういうことか」。吉田選手は宮崎コーチの言葉に納得したようにソファにもたれた。2時間かけて話し合うと晴れやかな表情になり、宮崎コーチにも笑みが浮かんだ。

 再び行われた紅白戦。吉田選手は4打数3安打2本塁打と気を吐いた。「今は練習で毎日発見があって楽しい。監督、コーチ、仲間を信じて挑戦していきたい」。若いコーチの存在が選手たちを支えている。【中村紬葵】=つづく

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