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身じまい練習帳

滝野隆浩・社会部編集委員が、墓、相続、葬儀といった人生の最期をいかに迎えるかを皆で考えます。第1・3月曜日更新。

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身じまい練習帳

「寺が生きる」の模索は続く

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 宗派を問わない集合型の永代供養墓「安穏廟(あんのんびょう)」を1989年に建てた新潟市・角田山妙光寺の住職が昨年11月、54代目に代わった。法燈継承式を祝う記念誌「妙光寺のこれまで、そして、これから」ができたという。上京した「先代」の小川英爾(えいじ)さん(65)に久しぶりに会った。

 今でこそ「宗派不問」の納骨堂や霊園はたくさんある。でも30年前はそうでなかったし、跡継ぎがいない独身女性らは自分の墓はなかなか持てなかった。だから当時、「かわいそうな女性のための墓」といわれもした。違和感があった。小川さんは衰退していく地方の寺院を研究し危機感を募らせていた。「檀家(だんか)制度に頼っては寺の未来はない」。そう心に決めて新しい形の墓づくりに奔走した。

 百八つの個墓を円墳形に配置し、時間がたてば中央の大きな墓に合祀(ごうし)していく斬新なデザイン。しかも永代供養費の一部を基金化し運用益で維持・管理するスタイルを確立させた。さらに大都市から来た新規「会員」と檀家たちが一緒に企画する「フェスティバル安穏」も毎夏開催。新藤兼人さん、小室等さん、藤田弓子さん……。趣旨に賛同して多彩なゲストが訪れた。墓制度にひとつの「革命」をもたらした。

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