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<第90回記念選抜高校野球>
1896年創部の静高野球部には120年以上の歴史がある。その中で「夏の甲子園」での優勝経験が1回、準優勝も2回ある。
「東海道線に乗って帰ってきて静岡駅で降りたらさ、もうものすごい人なわけ。こんなに静岡に人がいたのかって思ったよ」。準優勝した1960年の夏の大会で主将としてチームを率いた石山健一さん(75)は当時の様子を、身ぶり手ぶりを交えて振り返る。
ミス静岡からの花束贈呈、主将のあいさつ--。静岡に戻る途中、慌ただしくセレモニーの詳細が伝えられた。「『人がたくさん出迎えに来るからユニホームに着替えたらどうか』『いや準優勝だぞ。そんなには人が来ないだろう』なんて互いに話しながら駅に降りたのに」
商店街のアーケード屋根に上る人まで。パニック状態になり駅前でのセレモニーは中止に。「祝準優勝 静岡高校」と記された旗を掲げ、トラックで市内をパレードした。「『おめでとう』『よくやった』と声をかけられてうれしかった」。ナインがトラックから手を振る様子など、当時の写真は今でも商店街やOB会に保存されている。
石山さんは卒業後、早稲田大学や社会人でも野球を続け、指導者の道へ。監督としてプリンスホテルを都市対抗野球優勝に導くなど活躍した。
現在も全国各地を野球指導で飛び回る。年に数回は、現役の静高野球部員たちも指導する。その際に石山さんは、大きく引き延ばした「準優勝パレード」の写真を選手に見せる。「お前たちも、こうやって静岡の人を喜ばせろ」。発破をかけて選手の奮起を促す。
静高は県内屈指の強豪と言われつつ、公立高校でもあり、軟式野球出身者も多い。「県内の選手を(中心に)育てる。だからこそ、県民にとって象徴的。静高が活躍すると、静岡の人は喜ぶ」。石山さんは期待を込めて力強く語る。
センバツでの最高成績は28年のベスト4。2年連続17回目の出場を決めた今年、選手らは新しい伝統の一ページを刻むべく、高校野球の最高峰に挑んだ「先輩」たちの背中を追いかける。【大谷和佳子】
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