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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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青侍の挑戦

センバツ・近江 第1部・新チームの軌跡/上 敗戦胸に受け継ぐ夢 普段の練習からピンチ想定 /滋賀

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雪が降り積もったグラウンドでランニングをする中尾雄斗主将(左から2人目)ら近江の選手たち=滋賀県彦根市松原町の同校グラウンドで、小西雄介撮影 拡大
雪が降り積もったグラウンドでランニングをする中尾雄斗主将(左から2人目)ら近江の選手たち=滋賀県彦根市松原町の同校グラウンドで、小西雄介撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 昨夏の滋賀大会決勝。近江のラストバッターが三振に倒れると、甲子園出場を決めた彦根東の選手たちはマウンドに集まり、指を高く突き上げた。歓喜の瞬間を近江の選手たちはただ見つめていた。

 あと1勝。わずかに届かなかった甲子園。引退した3年生は「俺たちの代わりに甲子園に行ってくれ」と後輩に夢を託した。

 この試合を「人生で1番で悔しかった」と振り返るのは現主将の中尾雄斗選手(2年)だ。同点で迎えた五回裏、2死二、三塁の守備。相手選手の打球が中尾選手の守るセカンドへ。ボールがグラブに収まらず、送球が遅れて一塁セーフで勝ち越しを許す。さらに六回に2点本塁打を浴び、チームは1-4で敗れた。

 「先輩たちに申し訳ない気持ちで一杯」。この経験から「他の選手が大事な場面や試合でエラーしてほしくない。チームを引っ張っていく」と決意し、立候補して主将になった。

 8月1日に新チームで初試合をして以来、9月9日までに36戦の練習試合で34勝1敗1引き分け。昨夏甲子園出場の大垣日大(岐阜)や過去センバツ8回出場の国士舘(東京)にも勝利した。

 しかし、9月10日、今春のセンバツに出場する三重との2試合は9-15と1-4と2連敗。1試合目で2桁失点を喫した金城登耶投手(2年)は「自分の投球やチームを改めて振り返るきっかけになった、大事な試合になった。もし両方勝っていたら浮かれていたかもしれない」、有馬諒捕手(1年)も「この敗戦を機に投手とのコミュニケーションも増やし、普段の投球練習からピンチの場面を想定して取り組むようになった」と話す。

 三重との試合は秋季県大会初戦の2週間前だった。気を引き締めた近江の選手たちは頂点を目指して大会に挑んだ。【小西雄介】

     ◇

 チームカラーから「青侍」と称される近江高校野球部。昨夏の滋賀大会決勝での敗戦を胸に練習に励み、3月23日に開幕するセンバツへの出場を決めるまでの軌跡をたどる。


01年夏は準優勝

 1938年創立の近江実修工業学校が前身で、48年に近江高等女学校を併合して、現在の校名になった。校訓は「誠実にして勤勉」。アカデミー(特進)・アドバンス(準特進)・総合・キャリア(商業科)の4コースがある。

 部活動が盛んで、バレーボール部は今年の春の高校バレーで、男子が15年連続33回目、女子が2年連続12回目の全国出場を果たした。

 野球部の創部は57年。甲子園には過去に春4回、夏12回出場しており、最高成績は2001年夏の準優勝。部員は2年生38人、1年生30人。

 彦根市松原町大黒前3511の1(0749・22・2323)。

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