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記者の目

現場と向き合った「ごみストーリー」 社会を映す収集作業=成田有佳(東京地方部)

集積所に持って行けない女性のごみを自宅前まで取りに来た収集作業員。女性は容器のふたに感謝の言葉を添えている=東京都杉並区で2017年12月21日、成田有佳撮影

 昨年11月3~17日の朝刊で10回にわたり連載した「ドキュメント・東京ごみストーリー」。私は取材を始める前まで、ごみとは何かを深く考えたことはなかった。しかし、東京都杉並区で約3カ月、密着取材したごみの現場は、環境保護のスローガンや美辞麗句で片付けられるものではないと実感した。それを踏まえて言いたい。生活や社会を映し出すごみの行く末に、私たち一人一人がもっと目を向けなければいけない、と。

 取材に当たって私は、杉並区の清掃事務所やごみ集積所、清掃工場に足を運んだ。杉並区を選んだ理由の一つは、四十数年前に、住民が清掃工場建設に反対した杉並区と、埋め立て地を持つ江東区との「東京ごみ戦争」がある。ごみ戦争を知らなかった1985年生まれの私だったが、東京の清掃事業を一手に担っていた東京都清掃局OBの言葉を耳にして興味を持った。「ごみ戦争が『杉並区対江東区』というのは狭い見方。本質は増え続けるごみと人々との戦いだった」。ごみ戦争の「戦後」を描きたいと思い、通い始めた。

 最初は2トンのごみ収集車を追いかけた。まず感じたのは、収集の現場が“進化”していたことだった。作業員は「ふれあい収集」と呼ばれる高齢者らの独居世帯対象の戸別収集で、ごみが出ていない時は「室内で倒れているかも」と考え、事務所に報告していた。その後、電話などで安否確認を行っており、多い日で数十件に及ぶ。また、周辺住民から「集積所が汚い」と苦情の電話が寄せられれば、作業員が現場に向かい、原因となってい…

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