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武田 砂鉄・評『映画のキャッチコピー学』樋口尚文・著

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あの手この手で人を呼ぶ、言葉との格闘の歴史

◆『映画のキャッチコピー学』樋口尚文・著(洋泉社/税別1600円)

「日本よ、これが映画だ。」

 これは「アベンジャーズ」のキャッチコピー。こうやって、とにかく大きく出てみる。

「幸せになる」

 これは「アメリ」のキャッチコピー。誰が幸せになるのかはわからない。劇中の女性かもしれないし、観客かもしれない。こうやって、ひとつの効果だけを強調してみる。

 日本映画が産業として成立し始めた1920年前後から100年間に投じられた映画宣伝用のキャッチコピーを、調べ尽くした一冊。著者はコピーの存在を「一種野蛮な力をみなぎらせたもの」と形容しているが、本書の取り組みもまた、野蛮な力をみなぎらせている。

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