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<第90回記念選抜高校野球>
センバツ出場が決まる前の1月13日、島田球場(島田市横井)に、広々としたグラウンドで伸び伸びと白球を追う選手たちと、スタンドから見守る保護者らの姿があった。静高野球部の父母会は、球場までのバスの運転、試合の際の弁当手配など、選手らが野球に打ち込める環境作りの一端を担う。
「練習は監督や部長、コーチの役割。自分たちには自分たちの役割がある」。黒岩陽介主将の父裕司さん(50)は話す。「大切な試合の日に都合がつくように」と仕事の予定を調整し、可能な限り多く球場に足を運ぶ。練習を終えて午後10時過ぎに帰宅する黒岩選手のユニホームを、風呂場で下洗いして夜のうちに干しておく。母千夏さん(47)も、2段のお弁当と130グラムのおにぎりを六つ、毎朝作る。「特別なことをしているとは思っていない。本人も感謝してくれていると思うし」
裕司さんには忘れられない場面がある。黒岩選手が1年生だった2016年夏、静高は県大会4回戦で浜松商に接戦の末、敗れた。泣きはらした顔の選手らが高校に戻って最後のミーティングを終えると、3年生はそのまま部室へ向かい、自らの荷物を片付ける。空いた部室に2年生が入り、わずか数時間のうちに新チームへと移行する様子に「なんてシビアな世界なんだ」と息をのんだ。
黒岩選手が静高野球部へ入る時、甲子園出場を常に求められる名門の一員になると理解はしていた。それでも「自分の息子は静高の野球部なんだと改めて感じた。勝負の世界なんだな、自分も覚悟を決めないといけないんだなと」。ひたむきに野球と向き合う姿勢は、選手を見守る父母らも同じだ。
センバツ出場が決まった日も、親たちは校名が入ったそろいの帽子やジャンパーで学校に駆けつけた。その中に裕司さんの姿もあった。出場が決まると、栗林俊輔監督を胴上げする選手らを見つめながらつぶやいた。「(甲子園を決めて)立派なことだなと思う。でも、選んでもらってからが勝負なんだ」
選手を支える家族にとっても甲子園は大舞台。二人三脚で進む道のりには、まだまだ先がある。【大谷和佳子】
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