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第94回センバツ高校野球

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90回センバツ智弁学園 出場決定への道のり/中 気持ちは常に挑戦者 /奈良

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小口仁太郎主将(奥中央)を中心にミーティングをする智弁学園の選手ら=奈良県五條市の同校で、佐藤英里奈撮影 拡大
小口仁太郎主将(奥中央)を中心にミーティングをする智弁学園の選手ら=奈良県五條市の同校で、佐藤英里奈撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 「個人それぞれがレベルアップしなければ」。夏の奈良大会で甲子園への道を断たれた昨年7月27日の夜、学校に戻った智弁学園の2年生たちは、室内練習場で自分たちが主体となる新チームについて話し合った。誰が主将にふさわしいかや目指すカラーなど根本から意見を出し合い、「守りをメインにしていこう」と一致。一人一人が力量を高めていくことを誓った。

 新チームが始動してしばらくの間、主将は決まっていなかった。智弁では毎年、立候補か推薦のどちらかでチームの主将を選んでいるが、昨夏は5人もの選手が立候補した。しかし、小坂将商監督はすぐに結論を出さず、5人が代わる代わる1日ずつ「日替わり主将」を務めた。

 8月中ごろに小坂監督が主将に指名したのは、小口仁太郎選手だった。扇の要である捕手。声が大きく、何事にも動じない性格で、実際、小口選手が試合に出るとチームがまとまった。「自分が引っ張ってチームを強くしたい」。小口選手は気を引き締めた。

 他の4人(岡野龍太▽高塚勢牧(せいま)▽畠山航青▽南峠友祐--の4選手)は全員、例年なら1人か2人しか置かない副主将を務めることになった。それぞれ自ら主将に名乗り出たのは、やる気の証し。「引っ張っていく気持ちのある子に任せよう」との小坂監督の配慮からだった。

 南峠選手は「主将が指示を出しやすいようサポートしよう」。岡野選手も「主将の目と足になれるように」。5人はまめに話し合いを重ね、練習後の片付けなどでも2年生が率先して動き、1年生が過ごしやすい環境を作ることにした。

 一方、当初の練習試合では、思い通りにプレーできない場面も少なくなかった。小坂監督は「このままでは秋も勝てない。勝ちたい気持ちを常に持ち、チャレンジャーの気持ちで向かっていこう」と奮起を促した。

 「本気でぶつかって、やれるだけやろう」。新チームはほぼ毎朝、午前6~8時ごろの「朝練」も夏から導入した。監督や部長、コーチ陣らも参加する本格的な早朝練習は、智弁にとって初めてのことだった。ボールを逆らわずに打ち返す練習などに力を入れた。

 秋の近畿大会の県予選が始まり、チームは9月3日、橿原市の佐藤薬品スタジアムで初戦となる1回戦に臨んだ。朝練の成果もあってか打線がつながり、13対0と五回コールドで快勝。チームは順調なスタートを切った。【佐藤英里奈】

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