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第94回センバツ高校野球

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英明再び

チームの軌跡/中 精鋭23人、試合重ね自信 黒河投手中心に新チームづくり /香川

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秋の香川県大会で優勝した英明の選手たち=高松市生島町のレクザムスタジアムで2017年10月14日、潟見雄大撮影
秋の香川県大会で優勝した英明の選手たち=高松市生島町のレクザムスタジアムで2017年10月14日、潟見雄大撮影

 <第90回選抜高校野球>

 「本当にゼロからつくり上げたチーム。四国大会が終わるまで手応えを感じたことは一度もなかった」。英明の香川智彦監督はセンバツ出場を決めたチームをこう振り返る。1、2年生を合わせた部員はわずか23人。少数精鋭のチームは、試合のたびに成長を重ねていった。

 昨夏の香川大会で試合に出場した2年生は、千原凌平選手(現主将)だけだった。ベンチ入りも20人中14人が3年生。そのため新チーム発足後、ほとんどの選手に経験が不足していた。

 とにかく場数を踏もうと、秋の県大会までに49試合をこなした。「選手の数が少ない分、例年よりも過酷だったはず。よく頑張った」。柳生健太部長(43)は言う。過密な日程だったが、県内外のチームとの試合を重ね、チームはいいところを吸収した。

     ◇

 チームにとって最大の収穫は、黒河竜司投手(1年)の急成長だ。香川監督はチーム始動後、当初は田中陸選手(2年)を投手陣の中心に考えていた。しかし昨年8月に田中選手が肩を痛め、秋の大会では登板できなくなった。そこで2番手構想だった黒河投手をエースにチームをつくり始めた。

 結果はすぐに出た。黒河投手はわずか1カ月で直球の最速を8キロ更新。もともと変化球と制球力に自信があっただけにストレートで空振りを奪えるようになり、投球の幅を広げた。秋の県大会直前には、甲子園常連校の鳴門(徳島)に6-2、センバツ出場を果たすことになる高知(高知)に9-1といずれも勝利を収めた。

     ◇

 センバツ出場の参考資料となる四国大会。そこでの上位進出を目指し、英明は昨秋の県大会をノーシードから順調に勝ち上がった。

 3回戦では昨夏の甲子園でベスト8に入った三本松に1-0で勝利。準々決勝では最速140キロを超える丸亀の東山玲士投手(2年)との投手戦を1-0で競り勝った。最少点差の勝利を支えたのは、再三のピンチでの堅守だ。千原主将は「夏休みの練習試合で何度も苦しい場面を経験した。落ち着いて対処できた」。

 チームは勢いに乗り、準決勝で高松商を逆転で降すとそのまま優勝、四国大会準優勝まで駆け上がった。全8試合を1人で投げきった黒河投手は大会を振り返る。「連投でも調子が落ちなかったのは夏の練習試合のおかげ」

 甲子園で5回目の采配を振るうことになる香川監督は語る。「黒河の成長ぶりは良い意味で誤算だった。ここまで勝ち上がれるとは思わなかった。試合を重ねるにつれてチームが強くなっていくのを感じた」。23人全員の成長が指揮官の当初の評価を誤らせた。【潟見雄大】

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