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<第90回選抜高校野球>
「燃えろ聖陵 全国制覇」。松山聖陵ナインが練習に励むグラウンドに掲げられた力強い9文字。赤字で「燃えろ」、ユニホームと同じ青字で「聖陵」、そして白字で「全国制覇」。かすれたインクが野球部の歴史を物語る。
1992年に監督に就任した竹内茂夫さん(故人)の言葉だ。「熱血漢」で知られ、監督として南宇和や明徳義塾(高知)を甲子園に導いた。中村(高知)のコーチをしていた77年にはプロ野球・阪急(現・オリックス)で活躍した山沖之彦投手を擁し、センバツで準優勝。部員12人での快進撃は「二十四の瞳」と称され、全国の注目を集めた。
70年の創部以来、県内で一定の成績を残していた聖陵。だが甲子園はもちろん、四国大会にも出場できていなかった。その「殻」を破ったのが新たに就任した竹内監督だった。
熱血指導の中、部員たちは甲子園を目指して猛練習に耐えた。そして監督就任2年目の93年、秋の県大会で準優勝、初めての四国大会出場を果たした。
甲子園への夢をつないだが、四国の壁は厚かった。延長戦となった1回戦で高知商に1点差で惜敗。野球部OBで部長も務めた岸靖講師(61)は、文字が書かれたのはその後だったのではと記憶している。「全国制覇するくらいの意識でないと甲子園には出られない。そんな竹内さんの思いの表れだと思う」
「竹内聖陵」が甲子園に最も近づいたのは99年。多くのOBが「聖陵史上最強」というチームだった。
強力打線が売り。田城智博選手、山本真幸選手、幸田祐博選手らクリーンアップは3年間で通算100本以上の本塁打を放った。春の県大会で優勝すると、四国大会も初出場で初優勝を果たした。「今年の夏は聖陵」。そんな前評判だったが、立ちはだかったのは名将・上甲正典監督(故人)が率いる宇和島東だった。
準々決勝の宇和島東戦。8-5と聖陵が3点をリードして迎えた最終回。2死走者なしに追い込み、球場の誰もが聖陵の勝利をいったんは確信した。だが、そこから「まさか」が起きる。四球などで満塁とされると、走者一掃の適時三塁打を放たれ追い付かれた。さらに次の打者に適時打を許し、逆転サヨナラ負け。目前で勝利を逃し、「最強世代」も甲子園の土を踏むことはできなかった。
◇ ◇
この試合の約2カ月前。春の県大会を制した聖陵は沖縄で親善試合をした。その春のセンバツを制した沖縄尚学と対戦。全国制覇を果たした強豪チームの三塁を守っていたのは、当時17歳の荷川取秀明監督(36)だった。【中川祐一】
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