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第94回センバツ高校野球

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春の舞台へ

富島/上 練習環境、工夫で克服 /宮崎

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限られた時間の中で試合を想定した練習をする選手たち 拡大
限られた時間の中で試合を想定した練習をする選手たち

 <第90回記念選抜高校野球>

 3月23日に開幕する第90回記念選抜高校野球大会に富島(初出場)と延岡学園(12年ぶり3回目)が出場する。県内から2校が選ばれるのは52年ぶりの快挙で、県民からは大舞台での活躍を期待する声が上がっている。センバツ出場が決まり、気持ちを新たに練習に励む両校の軌跡や取り組みを紹介する。

 「チームの自信になった」。浜田登監督がそう振り返る試合がある。

 新チーム発足直後の昨年8月、富島ナインは、甲子園常連の強豪・鹿児島実(鹿児島市)との練習試合に臨んだ。2試合のうち、1試目では打線が2桁安打を放つと、エースの黒木将胤投手(2年)も好投を見せて完投。5-1で勝利した。2試合目は敗れたものの新チームとして幸先の良いスタートとなり、黒木投手は「それまでは先輩たちがいるという安心感に甘えていたが、この試合で自信がつきチームを引っ張るという意識を持つようになった」と話す。

 一方で浜田監督は「アウトにできる打球をアウトにできていなかった」などとチームの課題を冷静に分析。勝利に浮かれることなく、練習でも基礎的なメニューを重視した。

 県立高の富島は1948年創部。これまで春夏通じて甲子園出場はなく、5年前の部員は11人と県大会の初戦突破さえ難しい状況だった。転機は2013年、宮崎商を甲子園に導いた経験のある浜田監督が就任したことで、実力が年々向上。16年春には九州地区大会県予選で優勝し、強豪校に名乗りを上げた。

 県内外から一目置かれる存在となったが、練習環境は恵まれているとはいえない。平日の練習は授業終わりの午後4時ごろから午後7時半ごろまで。サッカー部やソフトボール部などと同じグラウンドを使用し、日が落ちれば少ない照明設備の下で練習する。

 そんな中、チームは日々の練習の内容を充実させることでそのハンデを克服してきた。昨年12月には、走塁の練習のため、直径約5メートルの白線の円の上を走りタイムを競うメニューを始めた。他県の強豪校の練習を参考に取り入れ、塁を回る際に効率良く走る訓練になる。浜田監督は「やりっ放しの練習じゃいけない。練習しながら場面を想定し、自分の動きを確認することで身につく」と話す。

 決して飛び抜けた選手がいるわけではないが、それぞれが練習で目的意識を持ちながら着実に力をつけてきた富島。センバツの大舞台で、その成果を発揮する日を心待ちにしている。【田崎春菜】

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