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第94回センバツ高校野球

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青侍の挑戦

センバツ・近江 第1部・新チームの軌跡/下 強さ証明、思いは一つ 強豪相手、敗れても収穫 /滋賀

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 <第90回記念選抜高校野球>

 昨年11月3日、秋季近畿地区大会の準々決勝。彦根東と対戦した近江は二、三回に1点ずつ奪って2-0とし、四回表のピンチも無失点で切り抜けた。五回表も先発の林優樹投手(1年)が2者連続三振を奪う。だが、その後に3連打を浴びて1点を失い、さらに死球を与えて2死満塁となった。そして次の打者の球を遊撃手の中尾雄斗主将(2年)が後逸。2点を返され2-3と逆転を許した。

 「また自分が……」。中尾主将は昨夏の滋賀大会決勝でも彦根東を相手に同点の場面で失策し、1点を勝ち越されたことを思い出した。しかし、新チームでは主将の立場。気持ちを切り替え、五回裏の攻撃では「この回逆転するぞ」とチームメートに声を掛け続ける。

 1死一塁から瀬川将季選手(2年)が右翼線二塁打を放ち、二、三塁に。相手の野選や暴投で2点を奪い、4-3と再逆転した。六回から継投した金城登耶投手(2年)は安打を1本も許さず逃げ切る。中尾主将は「彦根東戦は試合前から特別な思いがあった。何とか勝てて良かった」と話した。

 翌4日の準決勝では昨春のセンバツを制し、18歳以下の日本代表選手を擁する大阪桐蔭と対戦。強風が吹き荒れる中、野手の失策もあり初回に2点を失った。その後は先発の林投手が踏ん張るが、継投の金城投手が相手打線につかまる。五回に4連打などで3失点。多賀章仁監督(58)もコールド負けを覚悟したが、その後は九回まで無失点で切り抜けた。

 攻撃では7安打を放つも要所を抑えられ0-5の完封負け。大阪桐蔭の根尾昴投手(2年)に16三振を喫した。3番打者の家田陸翔選手(2年)は「根尾投手は直球の伸びや変化球の曲がり幅、コントロールなど全ての完成度が高かった」と振り返る。4番の北村恵吾選手(2年)も「チャンスで1本出るか出ないかに大きな差があると感じた」と悔しんだ。

 だが、収穫もあった。先発の林投手は強力打線を相手に4回を投げ被安打3で自責点は0。多賀監督も「甲子園で通用する」と好投をたたえた。野手陣も「自分たちの目標となるチームと対戦できたのは良かった。次は絶対に負けない」と口をそろえる。

 前回甲子園に出場した2016年夏は初戦で常総学院(茨城)に0-11で大敗した。現2年生の多くはスタンドで悔しさを胸に刻んだ。その際も4番打者として出場した北村選手は「チャンスの場面での適時打と本塁打が目標」と話し、中尾主将は「甲子園に出ることが目標じゃない。ベスト8以上が目標」と語る。選手たちの思いは一つだ。「近江が強いチームであると甲子園で証明する」。青侍たちの挑戦は始まっている。【小西雄介】(2日からは彦根東の新チームの軌跡を掲載します)

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