特集

第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。阪神甲子園球場での熱戦全31試合をLIVE配信します。

特集一覧

誠実に明朗に

90回センバツ智弁学園 出場決定への道のり/下 弱点気付き、技術磨く /奈良

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
秋の近畿大会奈良県予選決勝で、点を挙げて喜ぶ智弁学園のベンチ=奈良県橿原市の佐藤薬品スタジアムで2017年10月12日、矢追健介撮影 拡大
秋の近畿大会奈良県予選決勝で、点を挙げて喜ぶ智弁学園のベンチ=奈良県橿原市の佐藤薬品スタジアムで2017年10月12日、矢追健介撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 「挑戦者の気持ちで向かっていく」。小坂将商監督の思いが選手たちに伝わったのか、智弁学園は昨秋の近畿大会県予選で破竹の勢いを見せた。際立ったのが打線。大きな当たりは狙わず、短打、短打で、つなぐチームバッティングが光った。2回戦を10-0で大勝し、3回戦から準決勝まで3試合連続でコールド勝ち。迎えた決勝は10月12日、相手は昨春のセンバツに県内からアベック出場した高田商だった。

 先発した伊原陵人投手(2年)は一回表に本塁打を浴びるなどいきなり3点を失う。しかし、二回裏に2点を返し、四回には伊原投手自らの本塁打で追いつくと、六回に自慢の打線がつながって一挙7点。伊原投手は尻上がりに調子を上げ、八回にも7点を加えたチームは17-4で優勝した。県予選を振り返った伊原投手は「夏の課題だった心のブレが出なかった」。

 そして、甲子園に向けて正念場の近畿大会が大阪市で開幕する。「1回勝つだけでなく、2回勝って勢いに乗る」。誰もがその思いを強くしていた。

 10月30日の西脇工(兵庫)との初戦。4点を先取したものの終盤に反撃を受け、試合はもつれた。同点の九回裏、2死二塁の場面で打席に立ったのは畠山航青選手(2年)。県予選3回戦で守りの際に右足首を捻挫し、その後は試合に出られずに人一倍、悔しい思いをしていた。「副主将の自分がチームに迷惑を掛けている」。走者を還そうとの一心で振り抜いた打球は左翼席に吸い込まれた。

 しかし、11月3日の準々決勝・乙訓(京都)戦は勝手が違った。先発の伊原投手が二回で5失点の苦しい展開。6点差の五回裏、高塚勢牧選手(2年)が「どうにかして点を」と2点適時打を放って反撃を開始したが、結局、4対9で敗れた。岡野龍太選手(同)は「上のレベルではまだまだ通用しない。レベルを上げていかないと」と唇をかんだ。

 8強止まりでセンバツは微妙となった。それでも、自分たちの弱い部分に気付いた選手たちは、大会終了後も筋力アップや走り込みなどの体作りや、技術を磨くための練習に一層、力を入れた。

 年が明けて1月26日。待ち望んだ連絡が届いた。小口仁太郎主将(同)は「選ばれるのか分からなかったのでうれしい」と率直に語った。「大きな舞台で一つでも二つでも大きくなった姿を見せたい」と伊原投手。再び輝ける場を得た選手たちは、気を緩めることなく練習に打ち込んでいる。【佐藤英里奈】

関連記事

あわせて読みたい