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社説

トランプ一般教書演説 「誇り高い米国」に程遠く

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 自画自賛と誇張が目立つ演説だった。米連邦議会におけるトランプ大統領の初の一般教書演説である。

 トランプ氏は好調な経済を誇る一方、軍事力をさらに強化する方針を示した。だが、「富国強兵」路線を思わせる施政方針が、米国の「誇り」や「新時代」とどのように結びつくのか、大きな疑問が残った。

 演説のテーマは「安全で強い、誇りある米国の建設」。トランプ氏は減税や税制改革の意義を強調し、低い失業率や高い株価も含めて経済政策が成功したことを強調した。

 だが、好調な経済はオバマ前政権の遺産であり、必ずしもトランプ氏の功績ではないとの見方もある。

 過激派組織「イスラム国」(IS)をイラクやシリアから駆逐したことも実績としたが、実はIS掃討に関する米軍の役割は見えにくい。

 アフガニスタンの治安悪化も含めて米軍はイスラム圏で必ずしも実績を上げていない。トランプ氏がエルサレムをイスラエルの首都と強引に宣言したこともあって、米国の信用はさらに低下しているのが実情だ。

 力だけでは平和を実現できない。それはイラク戦争で米国が得た教訓だったはずだ。にもかかわらずトランプ氏は核戦力も含めた軍備拡張を打ち出し、力の差を見せ付けることこそ最善の防衛になるとの見方を示した。軍拡競争に火をつけかねない、危険な考え方である。

 また、オバマ政権の「核兵器なき世界」に関連して「魔法のような瞬間が訪れたとき」核保有国が核兵器全廃に協力することもありえようと嘲弄(ちょうろう)ぎみに語り、核廃絶を論外視する態度を見せたのも残念だ。

 北朝鮮に拘束され米国帰還直後に死亡した大学生の両親らを演説会場に招いたのは、北朝鮮の脅威を取り除く強い決意を示すためだろう。安易な妥協は侵略と挑発を招くだけだという認識には反対しない。

 だが、与野党の分断状況やロシアとの癒着疑惑「ロシアゲート」の捜査を思えば、トランプ氏が北朝鮮に適切に対応できるか不安もある。

 野党・民主党の一部議員は演説をボイコットし、性的嫌がらせの横行に抗議する女性議員らは喪服を思わせる黒い服装で出席した。米国社会の融和も「新時代」も遠いと思わせる風景だった。

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