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剛と柔、併せ持つ日本刀 複数の鋼で構成 たくみの技の結晶

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日本刀の秘密
日本刀の秘密

 日本刀にはまる若い女性を意味する「刀剣女子」といった言葉が生まれるなど、日本刀の魅力にとりつかれる人が増えている。優雅な曲線美や刃紋(はもん)と呼ばれる模様、美しい刃の輝きがその魅力だが、見どころはそれだけではない。日本刀の知られざる秘密とは?【渡辺諒】

 ●炭素量に差

 一般的に刀は切れ味を増やそうと硬くすれば折れやすくなり、折れないようにすれば曲がりやすくなる性質がある。名刀はこうした弱点をどう克服しているのか。東京芸術大の北田正弘名誉教授(75)が、光学顕微鏡や電子顕微鏡などを使って実際の日本刀を科学的に分析した。名刀の内部を詳細に調べるためには実際に切断する必要があるため、研究できる機会は極めて限られているという。

 日本刀は平安後期に誕生したとされ、1000年の歴史がある。大正ごろまでは盛んに研究されていたが、第二次世界大戦後は武器としての研究が不要になったため下火になった。しかし最近はアニメやゲームなどの影響でファンの年齢層が広がっている。北田さんは昨年、研究の集大成となる「日本刀の材料科学」(雄山閣)を出版。日本刀だけでなく、国外の刀剣や兜(かぶと)、鎧(よろい)なども紹介している。

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