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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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47人の赤鬼

センバツ・彦根東 第1部 新チームの軌跡/上 諦めかけた夢、再び 約半数、新ポジションで挑む /滋賀

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ランニングをする彦根東の選手たち=滋賀県彦根市の県立彦根球場で、小西雄介撮影
ランニングをする彦根東の選手たち=滋賀県彦根市の県立彦根球場で、小西雄介撮影

 <第90回選抜高校野球>

 近江を4-1で降し甲子園出場を決めた昨夏の滋賀大会決勝。ベンチ入りしていた彦根東の高内希選手(2年)も歓喜の輪に入ったが、甲子園に行くメンバーから外された。

 「彦根に残って新チームを引っ張ってくれ」。村中隆之監督(49)から次期主将を託された高内選手はOBの協力も得て、彦根で1、2年生にサインプレーや基本動作を教え込んだ。「だらけてしまうこともあり、チームをまとめることが大変だった」と振り返る。

 彦根に残ったメンバーも試合がある日は甲子園に応援に行った。チームカラーの赤に染まったアルプススタンド、春夏合わせて5回目の出場で初勝利を挙げた歓喜の瞬間が選手たちの心に刻み込まれた。今井怜央選手(2年)は「今度は自分が選手として出場しアルプスを沸かせる」と強く誓った。

 甲子園で敗戦した翌日の8月15日から新チームは本格的に始動。出だしは困難の連続だった。高内主将は小学1年で野球を始めて以来ずっと投手だったが、新チームに捕手がいないことに危機感を覚えた村中監督の提案で2カ月前から捕手の練習を始めたところだった。

 現在外野手として登録されている野崎重太選手(2年)や宇野圭一郎選手(2年)は元々内野手だ。新チームの秋季県大会のベンチ入りメンバー18人のうち8人が守備位置を大きく変更。新しいポジションに慣れることが最初の課題だった。

 8月22日に迎えた最初の練習試合。桜宮(大阪)相手に1勝1敗だったものの、24日には昨夏甲子園に出場した京都成章と津田学園(三重)に完敗。27日にも今春のセンバツに出場する星稜(石川)に2連敗を喫した。「甲子園に行くのは無理かもしれないな」。全国のレベルを知り、部内にはそんな雰囲気が流れるようになった。

 しかし、その後は、9月中旬からの秋季県大会を前に9度の練習試合で8勝1引き分け。序盤で負けていても後半に追いつけるようになり、徐々に自信を深めていった。【小西雄介】

ルーツは彦根藩校

 彦根藩校にルーツを持つ1876年創立の県立校。野球部の創部は1894年で県内では最も歴史が長い。藩の「赤備え」に由来しチームカラーは赤。

 県内有数の進学校で2004年から文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールの指定を受け、大学などと協力し理数系の研究を進めている。新聞部は08年から全国高校新聞コンクールで10年連続最優秀賞を受賞している。

 甲子園は1950年、センバツに初出場して以来、これまで春は21世紀枠出場を含め3回、夏は2回出場。春夏通じて5回目となった昨夏、甲子園初勝利をあげた。部員は2年生21人、1年生26人。

 彦根市金亀町4の7(0749・22・4800)。

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