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<第90回記念選抜高校野球>
智弁和歌山の林晃汰選手(2年)はチームメートの活躍を、ボールボーイとしてグラウンドの一角から見守っていた。今春のセンバツ出場の重要な参考資料となる昨年の秋季近畿大会。右肘の故障で新チーム発足後、ずっとベンチ入りを見送っていた。
「チームに迷惑をかけて申し訳ない」。日ごろの練習でもひとり別メニューでの調整が続いた。
昨年夏の甲子園1回戦で3番を任され、2ランを放つなど活躍。しかし、前月の和歌山大会期間中に右肘を疲労骨折し、甲子園の後、手術を受けた。中軸を期待されていただけに新チームにとっては大きな穴だった。
□ □
「林と一緒にセンバツに」
主力選手の不在は、逆にチームの奮起を促した。文元洸成主将(2年)も「一丸となってやっていこう」と呼びかけた。選手たちの結束は近畿大会でも結果として表れる。
準々決勝の法隆寺国際(奈良)戦は、11-4と七回コールド勝ち。計15安打と打撃好調のチームでひときわ目立ったのが、黒川史陽(ふみや)選手(1年)だった。林選手に代わって3番を任されるようになり、この日は本塁打も含めて4打数4安打3打点の活躍。試合前に林選手から「自分のやってきたことを変えず、いつも通りに」と助言され、「林先輩に負けないように」と応えた。
毎試合ヒーローが生まれ、チームも勢いづく。準決勝・乙訓(おとくに)(京都)戦では、秋からスタメン入りした根来塁選手(1年)が試合を決めた。3-4で迎えた九回裏無死一、二塁、左中間を破る逆転サヨナラ打を放つ。大会前、古宮克人部長(28)のマンツーマンの打撃指導でコンパクトなスイングを心がけ、殊勲打につなげた。
神先(かんざき)恵都選手(2年)は大会を通じ、「得点に絡むキーマン」として古宮部長からあつい信頼を得るようになった。8月下旬のチーム初の公式戦では結果を出せず途中交代に終わっていたが、「スタメンで使ってもらえるように」と特訓。確かなバッティングと積極的な走塁で1番に定着した。
林選手不在をカバーしようとする個々の選手の頑張りが、快進撃につながり、センバツへと一歩一歩近付いていった。
文元主将は「林がいないことを感じさせない活躍をみんながしてくれた。でも林が戻ってくればもっと強くなる」。新戦力の成長に手応えを感じつつも、さらなる躍進に向け、一日も早い主力の復帰が待たれていた。=つづく
【秋季近畿大会】
▽準々決勝(11月3日)
智弁和歌山 11-4 法隆寺国際
(七回コールド)
▽準決勝 (11月4日)
智弁和歌山 5-4 乙訓
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