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3月23日に開幕する第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に由利工(由利本荘市石脇)が21世紀枠で初出場する。これまで甲子園には程遠かったがこの数年着実に力をつけ、夢舞台への切符をつかみ取った。勢いに乗るチームの成長過程を追った。【川口峻】
「甲子園、いくぞ!」。センバツ出場が決定した1月26日、初出場の吉報を受けたナインは寒さで頬を赤らめながら、満面の笑みで雪の降り積もったグラウンドを駆け回った。
野球部員のほとんどが由利本荘市や隣のにかほ市出身という「地元チーム」。強豪校ではないため、遠方から力ある選手が集まるわけではない。だが中学時代からの仲間が多いぶん、チームワークのよさが大きな強みになっている。
二遊間の大友丈と佐々木聖弥の両内野手は本荘南中時代からのコンビ。主軸を務める石原龍之介外野手も同中出身だ。佐々木内野手は「中学時代から仲が良く、それが守備の連係にもつながっている」。
エース・佐藤亜蓮投手と土井幹太外野手は中学は異なるが、地元の「本荘由利選抜」で一緒にプレーした間柄だ。
にかほ市立象潟中出身の畑山陸翔主将は中学3年の夏、甲子園を懸けた秋田大会で由利工-明桜の一戦をスタンドで見た。甲子園常連の強豪を相手に終盤にリードしたが、九回に逆転され3-5で敗北。だが「劣勢になっても全員が声を出し、気持ちで向かっていた」と感銘を受けた。
また菊地浩介外野手は、由利工に進んだ兄が14年夏の秋田大会で4強入りを果たしている。志望は自然と定まった。
「実力のある選手が由利工に集まりそうだ」という話は次第に広まっていった。
井島虎之介捕手は地区選抜とは別のクラブチームで硬式野球をしていた。「別の学校を考えていたが、いい選手が由利工に進学すると聞いた。そこで自分も挑戦したくなった」と語る。由利本荘市の文化交流館「カダーレ」で偶然出くわし進路について語り合い、その後入部した選手もいる。
12年に就任した渡辺義久監督(39)は同野球部OB。「地元の高校に進み甲子園を目指せるチームにしたかった」と語る。実際、将来性ある中学生が地域外へ進学するケースが少なからずあったという。
本荘由利地域という同じ環境で育った選手たち。「チームの和」が自然と生まれ、みるみるうちに打ち解け合った。畑山主将は「ウチの強みは抜群のチームワーク。どのチームにも負けない」と自負する。
代々受け継がれる目標は「甲子園で勝利し校歌を歌う」。決して遠い夢ではなさそうだ。(選手の学年はいずれも2年)
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