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第94回センバツ高校野球

2022年に開催される第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。

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春の舞台へ

延岡学園/上 目標は「甲子園日本一」 /宮崎

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センバツ出場を決め、報道陣の前でポーズを取る延岡学園野球部員 拡大
センバツ出場を決め、報道陣の前でポーズを取る延岡学園野球部員

 <第90回記念選抜高校野球>

 ようやく夢の舞台に立てる--。1月26日、センバツ出場の知らせを受けた延岡学園の部員たちは、報道陣のカメラのフラッシュを浴びながら感慨深い表情を浮かべていた。

 ベースコーチとして昨秋の九州地区大会でチームを支えてきた黒木康平選手(2年)は「決定を聞き鳥肌が立った。みんなでここ(延岡学園)に来て良かった」。1年時から公式戦に出場してきた堰口広大選手(同)も「やってきたことが結びついた」と語った。

 2年生の多くは入学前に輝かしいキャリアを持つ。中でもチームの精神的支柱の役割を果たしてきたのが、中学時代に全日本少年軟式野球大会などで春夏全国制覇した門川中(門川町)野球部のメンバーだ。黒木選手や堰口選手、エースの上野元基投手(2年)や椿原塁主将(同)と、昨秋の九州大会県予選のベンチ入り20人中6人を同中出身者が占める。

 甲子園での活躍を夢見て入学したが、現実は厳しかった。1、2年夏の宮崎大会では、準々決勝にすら進めない挫折を味わった。1年春のセンバツも逃し、ある部員は「高校3年間で甲子園に行ける機会は5回あるのに、3回を失った」と唇をかみしめた。

 昨夏の宮崎大会後、新チームは最初のミーティングでチームの目標を「甲子園日本一」に決めた。椿原主将は「甲子園出場を夢見るだけではだめ。日本一という高い目標を掲げる必要があると思った」と語る。

 自らに重圧をかけた選手たちを、昨年9月に就任した元プロ野球選手の三浦正行監督(66)が精神的に支えた。1968年に秋田市立高(現秋田中央高)の捕手として夏の甲子園に出場、社会人チームを経て大洋(現DeNA)に入団。35年間選手やコーチを務めてきた。

 緊張から硬くなる選手たちに、試合の度に「とにかくバッターボックスに立ったら迷わずにバットを振れ」「空振りしてもいい」と諭した。昨秋の公式戦で打率3割3分3厘、1本塁打と活躍した坂口透哉選手(2年)は「あの言葉で楽になれた」と振り返る。

 本来の実力が出せるようになった選手たちは、九州大会県予選で快進撃を見せる。1試合平均10得点と打線がつながり優勝。九州大会でも初戦で筑陽学園(福岡)を、準々決勝で明豊(大分)を破って4強入りし、センバツの切符を手繰り寄せた。

 夢の甲子園、そして目標の日本一への道を歩み出した選手たち。プレッシャーに打ち勝ち、待ち焦がれた「春」で頂点を目指す。【塩月由香】

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