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社説

相次ぐ大学入試の出題ミス まず解答例の早期提示を

 人間のやることである以上、ミスは起こりうる。それに伴う被害を最小限に抑える対策が必要だ。

     京都大が昨年2月に実施した入学試験の物理の問題で、出題ミスがあった。本来合格だった工学部などの計17人が不合格になっていた。

     大学は追加合格を決め、希望者の入学や転学を認めた。他大学の学費や予備校の授業料などを補償し、慰謝料も検討するという。

     大阪大も、昨年の入試の物理で出題ミスがあり、30人が不合格になっていたことが発覚したばかりだ。

     難関とされる大学の相次ぐ出題ミスだ。入試の公平性や信頼に傷をつけかねない深刻な事態といえる。

     京大は、問題の条件設定が不十分だったため、二者択一の選択肢の両方が正解になりうる出題だった。作問段階で担当教員が11回チェックし、さらに当日に別の教員も解いたが、ミスに気がつかなかったという。

     問題なのは、京大も阪大と同様、予備校の指摘で誤りに気づいていることだ。思い込みなどで、ミスを完全になくすことは実際には難しい。

     そうであれば、試験実施後、できるだけ早く問題と模範となる解答例を公表すべきだろう。

     京大は解答例を示していなかった。「解答の経緯や思考力をみることを重視しており、これが答えだと示せない問題もある」と説明した。

     だが、採点に幅があるとしてもミスが起きることを前提に、早く解答例を公開すべきだ。それでミスが速やかに見つかれば、早めに受験生の軌道修正も期待できる。試験後1年近く経過しての対応では遅すぎる。

     文部科学省は大学に対し、解答例や出題の意図などの情報開示を求めてきた。今後、解答例の開示などに一定の基準を設ける方向という。

     さらに、ミスが指摘された場合の迅速な対応も不可欠だ。作問者以外の第三者による早い検証が欠かせない。その仕組み作りが求められる。

     同省も今回の問題を受け、外部からの指摘を受ける窓口を設置した。大学への早期対応を促す方針だ。

     大学入試改革では思考力や表現力を問う出題を目指している。単純な暗記力を問うのでない高度な問題ほど、ミスの可能性も高まる。

     大阪大、京都大だけの問題ではないはずだ。

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