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秋幸は腹違いの妹さと子と交わるという禁忌を龍造に突きつけることで象徴的な父殺しを実行しようとするが、龍造に一笑に付される。最終的に秋幸は予想外の形で、一族の血の証を立てることになる。龍造をなじる秋幸に殴りかかってきた弟の秀雄を返り討ちにし、殴り殺してしまうのである。ほとんど神話か、ギリシャ悲劇のような青春である。
兄弟同士の殺し合いは避けられない運命だったのか、自分が「路地」から抜け出す術はなかったのか、秋幸には一体、どんな不可抗力が作用していたのか? この問題は次作『地の果て 至上の時』に受け継がれる。
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