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トランプ政権

新型核兵器導入へ、新指針 使用条件を緩和

 【ワシントン会川晴之】トランプ米政権は2日、米国の核戦略の指針「核態勢見直し(NPR)」を発表した。ロシアや中国、北朝鮮が核兵器増強を進める現状に対応し、爆発力を小さくし、機動性を高めた新型核兵器の導入を明記した。また、非核兵器による攻撃に対する核兵器による報復の可能性にも言及。冷戦後の歴代米政権が目指した核兵器削減や使用回避を優先させる方針から、核兵器を「使いやすくする」方向へとカジを切る大きな政策転換といえる。

 トランプ大統領は2日に声明を発表。「歴代政権は必要な核兵器や施設の近代化を先送りし続けてきた」と批判したうえで、核兵器を含む米国の安全保障戦略は「21世紀の多様な脅威に対応するため、個々の状況に即した柔軟性のあるものだ」と主張し、核による抑止力の強化を打ち出した。

 新型核のうち一つは、現在の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載する核弾頭を改良し、爆発力を抑え、機動性を高める。ロシアが射程の短い戦術核の使用を想定した戦略を構築しているとして、欧州で限定的な核戦争が起きる事態に備えるとしている。また、「核トマホーク」で知られ、オバマ前政権が廃止した海上艦船配備型の核巡航ミサイルの再開発にも着手する。

 NPRでは、核兵器は「米国と同盟国の死活的な極限の状況でのみ使用を検討する」という前政権の原則を引き継ぐ一方、極限の状況は、国民やインフラなどに対する「非核攻撃を含む」とした。サイバー攻撃などが念頭にあるとみられ、使用条件を事実上緩和した。

 シャナハン国防副長官は2日の記者会見で「核兵器を使う機会を増やそうとしているわけではない」と説明したが、新型核の整備とともに、使用条件の「緩和」によって、核兵器を「使いやすい」ようにしていることを強く印象づけた。

 米軍が熱望していた大陸間弾道ミサイル(ICBM)▽SLBMを搭載する戦略原潜▽戦略爆撃機--という核兵器の運搬手段の「3本柱」の強化・更新も盛り込んだ。オバマ前政権の方針を踏襲した形だ。

 米露両国は2010年に締結した「新戦略兵器削減条約」(新START)で、射程が長く、破壊力も大きい戦略核兵器の配備数の上限を1550発と定めた。戦術核を制限する合意はなく、米議会調査局によると、米国は約760発、ロシアは約4000発の戦術核を保有。ただ、ロシアは約2000発以下との説もあり、実態は不明だ。

 【ことば】核態勢見直し(NPR)

 冷戦終結後の安全保障環境の変化に応じた米国の核戦略の指針で、1994年にクリントン政権が初めて策定。政権が代わるたびに改変される。今回は4回目で、「核兵器のない世界」の実現を掲げたオバマ前政権時代の2010年4月以来、約8年ぶり。

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