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<第90回選抜高校野球>
昨年10月、福島県で開かれた東北大会の2回戦、由利工は弘前東(青森)と対戦した。
2点を追う九回2死満塁の場面。「積極的にいけよ!」というベンチからの声援を受け、木村裕太内野手(2年)がバッターボックスに入った。初球を振り抜き、走者一掃の左越え3点適時打で一気に逆転した。勝利を決めた後、整列したナインの目には涙があふれていた。木村内野手は試合後「初出場で初勝利だったので、流れてきた校歌は新鮮に聞こえた。涙でうまく歌えなかったけれど」と話した。
次の準々決勝では花巻東(岩手)と対戦。序盤で先制したが逆転され2-4で敗れた。しかし、最後まで勝利をあきらめなかった。
現在のチームの大きな強みは「決してあきらめない粘り」。これはどのように育まれてきたのか。
2016年夏の秋田大会で佐藤亜蓮投手(2年)は控え投手に。その秋に行われた県内各校の1年が参加する新人戦で優勝。さらに昨夏の大会には10人がベンチ入りを果たした。渡辺義久監督は「学年がひとつ上の選手は11人と比較的少なかった。そのぶん現2年生の出場機会が多く、実戦経験を多く積めた」とその背景を話す。
渡辺監督が「チームに勢いが出てきた」と指摘するのは、昨年9月に行われた県大会中央地区大会の準決勝。甲子園出場経験のある強豪、金足農との一戦だった。四回を終えて1-1の同点。失点しないよう集中力を切らさず、延長十三回を迎えた。木村内野手の適時二塁打で勝ち越し、2-1で劇的なサヨナラ勝ちを収めた。
土井幹太外野手(2年)は「気を抜いたら負けると思った。勝てて自信になったし、あの集中力はその後の試合にもつながった」と振り返る。
各地区を勝ち上がったチームが東北大会を目指す県大会で、最後の1枠を懸けた第3代表決定戦を迎えた。能代との試合は1点を追う七回、5連打などの集中打で一挙4点。佐藤投手は計11奪三振の好投で後続を断ち完投した。劣勢に耐える「粘り」に、チャンスを生かす集中力も加わっていた。
選手たちは「強豪校との体格の違いを感じた」と口にするように、東北大会の敗戦が大きな糧になっている。現在はウエートトレーニングに励み、野球ノートを付けて課題などを書きつづっている。好成績におごらない「謙虚さ」も忘れてはない。【川口峻】
◆秋季大会対戦成績
中央地区大会
<2回戦>
○5-3 秋田南
<準々決勝>
○3-2 新屋
<準決勝>
○2-1 金足農(延長十三回)
<決勝>
○7-3 由利
県大会
<2回戦>
○5-1 秋田修英
<準々決勝>
○6-2 湯沢翔北
<準決勝>
●1-5 能代松陽
<第3代表決定戦>
○4-1 能代
◇東北大会
<2回戦>
○5-4 弘前東(青森)
<準々決勝>
●2-4 花巻東(岩手)
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