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我らが少女A

/184 第5章 30=高村薫 多田和博・挿画監修

 小野は、浅井忍との遭遇のせいで中途半端に酔いが醒(さ)めてしまった身体に、予期せぬ物思いを入り込ませたまま、こうしていまごろまだ昔の出来事の周りをうろうろしている自分は、結局確信犯なのだと考えてみる。優子には、気の置けない男ばかりの酒宴で騒ぐのもこれが最後だ、独身最後の痛飲だと豪語して今夜は出てきたのに、結果的に思ったほど呑(の)めず、前後不覚にもならずに俺はここで何をしている--?

 そしてそう思う端から、小野は自宅まで二百メートルの路傍でいまもまた野川公園の方向へ眼(め)を凝らし…

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