メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

新聞で学ぼう

不祥事の正しい対処法は? 新渡戸文化短大生が「広報課長」になったつもりで作文

真剣な表情で授業を受ける学生=新渡戸文化短大で1月16日

 <くらしナビ 学ぶ>

     企業や大学、スポーツ界を舞台にした不祥事で新聞に謝罪会見の記事が目立つなか、新渡戸文化短期大学(東京都中野区)の新聞活用授業で「リスクマネジメント」をテーマに1年生が作文を書いた。不祥事の当事者だと仮定した「もし私が広報課長だったら」という出題に対し、「隠そうとせず、迅速に公開する」「正直に対応し、傷口を広げない」などと緊張の面持ちでつづっていた。

     ●対応失敗例を教訓に

     この授業はスマートフォン(スマホ)で新聞紙面をそのまま読める「紙面ビューアー」を使った毎日新聞提携講座「暮らしの経済」(後期15回)の最終回(1月16日)で実施。最初に当日朝刊の日本カヌー連盟の幹部がスポーツ庁幹部に頭を下げる写真付きの記事「東京五輪に重い教訓 カヌー禁止薬物混入」を紙面ビューアーで確認した。

     続いて、「日産 無資格検査38年間」「三菱マテ系データ改ざん」「のぞみ亀裂 JR西社長が謝罪」など最近の企業不祥事の記事を画像で示した。過去に不祥事への対応に失敗した例として、料理の使い回しをした大阪の高級料亭「船場吉兆」や、乳製品による集団食中毒で回収が遅れた雪印乳業などのリスク対応も解説し、「隠さず逃げず、早急に発表する」などの教訓を説明した。

     さらに、大阪大学が昨年の一般入試で外部からの3回目の指摘で出題と採点のミスを認め、不合格とした30人を追加合格にしたという1月7日付の記事を読み、「大学側の反省点」「よりよい対処法」についてディスカッションした。

     ●「隠さず謝罪」が多数

     最後に、不祥事への対応を問う出題(別表)を読み、30分で400字の作文を書いた。学生の多くは「作家への確認」「社長への報告」を優先させ、「隠さずに発表して謝罪する」姿勢を示し、次のようにつづった。

    ▽「作家Aに確認し、認めても認めなくても『作家Bの遺作の文章と酷似していた』と説明し、作家Aの言葉も記者会見で伝える」

    ▽「確認と謝罪と訂正の三つで迅速に対処する必要がある」

    ▽「謝罪もせず、隠していたら世間や出版関係からの信頼は地に落ち、今後の経営も悪化すると思う」

    ▽「一番は消費者の信頼だ」

    ▽「一瞬の財産よりも一生分の信頼を取るべきではないか」

    ▽「利益のことばかり考えて行動していると判断を間違える原因になる」

    ▽「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で話題になってしまうと手がつけられなくなってしまう」

    ▽「社会に出たときにこの気持ちを忘れずに持ち続けていたい」

     ●講座でニュースに関心

     講座「暮らしの経済」は「円高・円安」「少子高齢化社会」「地球温暖化」などをテーマにベテラン記者が講義。初回(昨年9月12日)の新聞購読状況を尋ねるアンケートでは「まったく読まない」が70%を超えたが、15回目の最終回に「新聞との接し方が変わりましたか?」と問うと、7.1%が「大変変わった」、61.9%が「少し変わった」、31.0%が「変わらない」と答えた。

     具体的には「電車に乗っているときにスマホで読むようになった」「最近は社説を読むように変わった」「今までよりニュースに関心を持つようになった」「正確な情報が載っているので読んでみようと思った」「(志望する)保育者にとって日々の出来事を知るのは大切だから新聞を読むとためになる」「自分の興味がないものが、少し興味があるものに変わった。知らない言葉が多くて調べる機会が増えた」などとつづられていた。【城島徹】


    出題

    《私は中堅出版会社のM社で広報課長をしている。作家Aの話題の新刊「中野の街」は発売直後だが、増刷に次ぐ増刷の大ベストセラーだ。経営危機に苦しんでいたM社にとって起死回生の出来事である。そんな折、匿名の投書が届いた。それは「中野の街」を「無名のまま亡くなったBという作家の遺作にそっくりだ。盗作ではないか」と指摘したものだった。「まさか」。念のためこっそり調べてみると、確かに数ページにわたり文章が酷似していたのだ。私は震えた。(中略)皆さんがもしM社の広報課長だったら、どう対処するかを書きなさい》

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. ロシアW杯 決勝に水を差す愚行 男女4人が乱入
    2. 西日本豪雨 し尿処理できず「水や食事我慢」 愛媛・大洲
    3. ロシアW杯 サッカー MVPゴールデンボール賞 モドリッチ最有力か
    4. 将棋 藤井七段、今泉四段に敗れる NHK杯1回戦
    5. ロシアW杯 フランスが5大会ぶり2回目の優勝

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]