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社説

米金利上昇で世界株安 新たな局面へ覚悟が要る

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 急激過ぎた株高の一時的反動か、それとも潮目の本格的変調か。

 ニューヨーク株式市場の大幅続落が日本を含め世界に波及した。東京市場は日経平均株価が2日間で計1600円超の値下がりである。

 注目すべきは、急落のきっかけだ。米国の雇用統計で、賃金上昇率が高水準になったことである。

 本来、経済にとって良い話題のはずだ。ところが、史上最大の株価下落につながった。

 景気改善が進めば米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げのペースが上がる可能性がある。それを見越し長期金利が上昇した。金利上昇は株高への終止符とならないか。不安が広がった。

 裏を返せば、これまでの株高や資産価格全般の高騰が、いかに低インフレ、低金利政策に依存したものだったかということだ。

 FRB議長に就任したその日、株価の記録的下落に見舞われたパウエル氏には、厳しい船出となった。市場の動揺を気にし過ぎて利上げが遅れると、本格的なインフレやバブルを招きかねない。反対に利上げが投資家の不安心理をかき立て過ぎると、景気全体にも悪影響が及ぶ。

 こうした試練は、FRBをはじめ主要国の中央銀行が、リーマン・ショック後、大規模な金融緩和に踏み出した時点で懸念されていた。劇薬のように強い刺激策は、出口政策に向かうと、市場の反動に見舞われるという逆説である。

 これは、FRBより過激な金融緩和を、より長期間実施している日銀にとって、示唆に富む事態といえそうだ。

 日銀の黒田東彦総裁は4月初めに5年の任期が満了を迎える。異次元緩和と称される前例のない大規模緩和を導入した張本人だが、続投となっても交代となっても、市場は従来の政策からの変化を過敏に嗅ぎ取ろうとするだろう。

 実際、黒田総裁がやや楽観的な物価見通しを示しただけで、円高が進んだ。政策の目標達成が最大の不安材料になるというのが、異次元緩和に内在する矛盾なのである。

 いずれにせよ、「今まで通り」の継続を想定できない局面に入ったということだろう。市場関係者も政策担当者も覚悟が必要だ。

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