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社説

陸自ヘリが民家に墜落 整備体制の総点検を急げ

 陸上自衛隊の戦闘ヘリコプターが佐賀県神埼市の民家に墜落する事故が起きた。

     民家2棟などが焼け、少女1人が軽傷を負った。乗員1人が死亡し、機長の遺体が発見された。

     機体の破片が散乱し、激しい黒煙と炎が上がった。事故の衝撃と恐怖に周辺住民は震えた。

     周囲は田園地帯だが、墜落場所は住宅が密集し、近くには小学校や幼稚園もある。一歩間違えれば被害が広がっていてもおかしくなかった。

     事故を起こしたヘリは対戦車ミサイルを搭載できるAH64D。定期整備を終え、点検飛行中だった。

     自衛隊機が民家に墜落した事故は1969年に金沢市で起きた例があるが、極めて異例だ。

     通常、機体にトラブルが発生するなど異常を感知した場合、基地に引き返したり、安全な場所を探したりして着陸しようとする。

     しかし、防衛省や目撃者によると、事故機は急降下するように機首から落ちていったとされる。民家を避けようとする余裕もなく墜落した可能性が大きい。

     操縦していた機長はベテランで、操縦ミスは考えにくいという。

     主回転翼(メインローター)が飛行中に外れて落下したとの複数の目撃談がある。飛行直前の整備で4枚の主回転翼をつなぐ接続部品を交換したばかりだった。

     整備ミスが原因だった疑いもあるという。同型機は13機しかなく、接続部品の交換もまだ3機目だった。

     事故機の整備体制を検証することが不可欠だ。さらに全自衛隊機の装備状況の点検も急ぐべきだ。

     懸念されるのは近年の自衛隊機による死亡事故の多さだ。2015、16年は各1件、昨年は3件あった。

     多くのケースは操縦ミスが原因だった。事故抑止に向けて自衛隊全体の取り組みが求められる。

     防衛省は、事故が起きた佐賀県の佐賀空港に新型輸送機オスプレイを配備する予定だ。反対論が強まるなどの影響は避けられないだろう。

     首相は「国民の命と平和な暮らしを守るべき自衛隊が住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたことは誠に遺憾だ」と述べた。

     信頼回復には徹底した再発防止策の公表も必要だ。

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