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第103回全国高校野球選手権

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富山商創部100年 軌跡 「両商対決」制し手応え /富山

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2017年秋の富山県大会準決勝で「両商対決」を制し笑顔を見せた富山商ナイン=富山市五福で2017年9月24日、古川宗撮影
2017年秋の富山県大会準決勝で「両商対決」を制し笑顔を見せた富山商ナイン=富山市五福で2017年9月24日、古川宗撮影

 富山商と、昨年の甲子園に春夏連続出場した高岡商の「両商対決」となった昨秋の県大会準決勝。両チーム無得点で迎えた六回表2死一、二塁、沢田龍太投手(2年)が狙っていたインコース直球をフルスイングした。「入ってくれ」。心の中で唱えた打球は左翼席に吸い込まれ、決勝の3ランに。「一戦必勝」を胸に挑んだチームは、春のセンバツに近づいた伝統の試合の結果に手応えを感じた--。【鶴見泰寿】

 「2年生が活躍しなかったから負けた」。前崎秀和監督(40)が振り返ったのは昨夏の富山大会3回戦。前年、決勝で敗れた富山第一戦に2年生5人をスタメンに起用したが2-7。選手は悔し涙をまた流した。

 「次あるんやから、絶対甲子園行けよ」。試合後、言葉少なに励ました先輩の姿を、後輩たちは目に焼き付け、翌日、福島幹選手(2年)を主将に新チームをスタートさせた。目標は「センバツ出場」とした。

 主戦の沢田投手に山本龍也捕手、攻撃の中軸の石橋航太、横尾和樹両選手=いずれも2年=らを、前崎監督は「物おじせず、すぐにへこたれない明るい選手が多い」と分析。秋の県大会まで34の練習試合はメンバーを固定せずに競争させた。

 前崎監督は練習試合の間、小言のように選手の課題をつぶやく。「(守備位置で)周りが見えていない」「バットのヘッドが下がっている」--。強くなるために、選手はミーティングで妙案をひねり出した。監督の後ろで、部員の堀山日向さん(2年)が逐一メモにし、一人一人が毎試合、それを克服できるよう意識した。

 それでも秋の県大会は「本当に勝てるのか」という不安を抱えたまま臨んだという。払拭(ふっしょく)できたのは、高岡商戦と、一戦必勝を重ねて到達した優勝だった。さらに、センバツを懸けた北信越大会はベスト4まで進んだ。

 選手に立ちはだかるのは「全国の壁」だ。北信越大会で初優勝した日本航空石川との準決勝は2-7で敗戦。「誰もがスイングが力強い」「少し甘く入っただけで全部打たれる」などと選手が口をそろえた相手打線に、福島主将は「守っていて(野球人生で)初めて『怖い』」と感じるほどだった。

 「体つきと打撃力」。今冬の課題は明確となった。部室の10合炊きの炊飯器3台はフル稼働で、授業や練習の合間に食べて1日5食。体重アップを図り、雪が多く室内練習で筋トレやトスバッティングなど基礎練習にも励む。

 創部100年の今年。9年ぶり6回目のセンバツを手にし、福島主将は「積極的に打っていけるチームに成長し、歴史に花を添えたい」と汗を流している。

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