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我らが少女A

/186 第5章 32=高村薫 多田和博・挿画監修

 二学期になると、日記のなかの鬱々とした女子高生は、通っていた予備校をサボることを覚えた。ロンロンでリップクリームではない口紅を買い、予備校で知り合った他校の友人とロフトの地下でプリクラを撮って遊ぶ。浜田ミラや井上リナの名前が登場するのも、この時期だ。<ミラもリナも悪ぶったガキでなければ何? いいのは「いま」だけ。私はその「いま」を利用するだけ>などと書いている私こそ何様? 十二年ぶりに読み返してみると冷や汗が止まらない。学校の成績は中の上ぐらいをやっとキープしているが、全統模試の偏差値では志望の早稲田の文学部はB判定で、薄氷を踏むようなきりきりした心理状態で日記に悪態を吐き散らす日々が続く。

<このごろ視線を感じると思っていたら、口紅をサロメに見つかった。ママに言いつけたりしたら、十倍返しし…

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