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第94回センバツ高校野球

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若竹たちの挑戦

2018センバツ乙訓 強さの秘密/中 実戦意識、考える練習 /京都

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9分割したコースをイメージしながら素振りをする乙訓の部員たち=長岡京市の同校グラウンドで、礒野健一撮影 拡大
9分割したコースをイメージしながら素振りをする乙訓の部員たち=長岡京市の同校グラウンドで、礒野健一撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 68試合50勝13敗5引き分け。昨夏の新チーム結成以降、乙訓がこなした練習試合の成績だ。秋季大会の公式戦10試合(9勝1敗)を加えると、約4カ月間で78試合をこなしたことになる。今春のセンバツ大会の出場校の中では中央学院(千葉)に次ぎ多い試合数だ。「実戦でしか養えないものがある」との市川靖久監督(35)の方針に基づいている。それは、普段の練習にも共通する考え方だ。

 「10秒前……3、2、1、スタート」。マネジャーの大きな声がグラウンドに響くと、「ブン」と風を切るスイング音が続いた。横一列に並んだ部員たちが真剣な表情で素振りをする。しかし、一心不乱に振りまくる様子はない。ゆっくりと、何かを確かめるように振っている。

 乙訓の「考える素振り」練習。ストライクゾーンを9分割し、1分ごとにイメージするゾーンを変える。1セット目は直球、2セット目は変化球が来たことを想定してバットを振る。大西陽大選手(2年)は「乙訓に来て初めて取り組んだ練習。普段から1スイングを大事にする意識を持つことで、実戦での対応力が身についた」と効果を語る。

 室内練習場での打撃練習も同様だ。左右の直球と変化球のピッチングマシンによる4カ所、投手が投げる2カ所の計6ゲージを設置。選手は1ゲージ約15球ずつ打ってローテーションしていく。染田賢作部長(35)は「漫然と気持ちのよいコースばかり打っていてもダメ。ゲージの中で無死一塁や1死一、三塁など、場面を想定しながら、自分がどういう打撃を求められているのか、考えながら打つことで技術は上がる」と説明する。

 そうして身につけた技術を発揮する場が、乙訓には毎日用意されている。グラウンドでのシート打撃だ。

 冬場は筋トレや走り込みなど基礎体力作りに重点を置くチームも多い中、乙訓は走者もつけたシート打撃やシートノックに長い時間を割く。

 市川監督は「室内での打撃練習は個人の課題を見付けて克服する場。シートは成果をアピールする場」と話し、厳しい視線で選手の実戦対応力を見極める。毎日がベンチ入りをかけた試験だ。

 実戦を意識させた練習で、考える力を養う乙訓の手法。松本竜次郎副主将(2年)は「部員個々の一球への集中力が格段に上がり、チーム全体のレベルアップにつながっている。競争意識も激しくなり、いい練習方法だと思う」と充実した表情を見せた。【礒野健一】

〔京都版〕

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