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第94回センバツ高校野球

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挑戦の春

18センバツ高知 第1部 成長の歩み/下 ひたむきさ吉報呼ぶ /高知

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センバツ出場が決まり歓喜にわく高知の選手たち=高知市尾立の同校グラウンドで2018年1月26日、岩間理紀撮影
センバツ出場が決まり歓喜にわく高知の選手たち=高知市尾立の同校グラウンドで2018年1月26日、岩間理紀撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 高知中高で40年近く指導に当たってきた中村敏彦部長(62)は、甲子園を目指す選手に必要なものとして「野球に対するひたむきで、純粋な熱い気持ち」を挙げる。秋の階段を駆け上がるチームが、目標とする春の舞台に手を伸ばせたのは、その「気持ち」を全員が共有し、発揮できたからなのかもしれない。

 またも明徳義塾との対戦となった秋季県予選決勝は、選手たちの今後の成長を見据えた起用もあり、1-5で敗れた。しかし、士気は下がることはなく、高知2位校として秋季四国大会に挑む。

 初戦は、鳴門渦潮(徳島3位)戦だった。敵の堅い守りを突破し、チャンスが訪れたのは四回、先頭の西村唯人選手(1年)、辻海星選手(2年)の3、4番の連打などで無死満塁とすると、谷岡享玲選手(2年)が左前に先制打。さらに九回にも谷岡選手が右前打で追加点。主戦・中屋友那投手(2年)は被安打4の力投で、2-0で完封勝利した。

 上げ潮に乗るチームは、続く英明(香川1位)戦に臨む。序盤は一進一退の攻防が続いた。だが、五回に英明に5長短打で一気に4点を奪われ、続く六回にも2点を追加される。

 一方的な試合になるかと思われた。だが七回、一気に攻勢に出た高知は、1死二塁の好機から中越啓斗選手(2年)の右前打で1点を返すと、中畑隆之介選手(2年)が四球を選び、クリーンアップを迎える。西村選手、辻選手、島内優成主将(2年)の鮮やかな三連打で一気に1点差まで詰めより、スタンドの応援も最高潮に。八回にも1死一、三塁の好機を作り、「行けるぞ!」と金切り声が飛ぶ。だが、相手の守備の巧みさも光り、あと1本が及ばず。そのまま7-8で破れ、ベスト8に終わった。

 センバツに出場できるかは、分からなかった。「何を目標に練習をすればいいのか分からない」と不安に思う選手もいた。島田達二監督(45)はそんなチームに、冬場の練習の目標として「走塁でも声出しでもいい。自分が『勝負』できるものを作ること」を求めた。吉報を信じ、ひたむきに練習に打ち込む選手たち。そして、選考委員会の開かれる1月26日を迎える--。

 「一戦必勝で頑張るぞ!」。舞い降りた春の吉報に、グラウンドには笑顔の花が咲いた。拳を突き上げ喜ぶも、視線は既に前を向き、その後はすぐ練習に戻った。「目標は甲子園で勝ち上がること」(島内主将)と、チームの思いは一つ。苦難を超えて走り続けるチームの挑戦は、まだ始まったばかりだ。【岩間理紀】

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