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布施広の地球議

布施広専門編集委員が国際政治の真相に迫ります。

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韓国は嫌いですか(4)

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 夏目漱石の小説「行人」は気難しい学者の兄が弟と自分の妻の仲を疑う筋立てだ。一緒に山に登った際、兄は弟に「君の心と僕の心とはいったいどこまで通じて」いるのかと尋ね、弟は「人から人へ掛け渡す橋はない」とドイツ語のことわざで応じる。

 禅問答のようなやり取りだが、弟の言葉を踏まえて小倉紀蔵・京都大大学院教授は言う。朝鮮にはこれほど「絶望的な、絶対的な他者との断絶という思想と同じレベルまで『個人』を深めた思想家」はいなかったように思える、と(「朝鮮思想全史」)。

 そして続ける。朝鮮人・韓国人が「個人」という問題を「徹底的な深み」まで降りて思考できず、「民族や国家という価値に思考を自己回収してしまう回路」に押しやられたことこそ、日本の植民地支配の問題なのだと。

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