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和歌山・田辺湾

極寒、サンゴ直撃…最北のテーブルが白化

低水温で白化して一部が死滅したサンゴ=和歌山県田辺市沖の沖島で、李友喜さん撮影

 世界最北域のテーブルサンゴ群生地がある和歌山県南部の田辺湾で今月、サンゴが白化し、一部が死滅していることを地元ダイバーが確認した。サンゴにすみ着く魚が瀕死(ひんし)状態になっているのも見つかった。紀伊半島の沖合で昨夏から続く12年ぶりの黒潮(暖流)蛇行に寒波が重なり、海水温が低下している影響とみられる。【山本芳博】

 テーブルサンゴは、田辺湾の沖合約2キロにある沖島から半径500メートル内の水深3~7メートルの浅瀬を中心に広がっている。同県田辺市のダイビングガイド、李友喜さん(45)が今月2日、島の東側の水深5メートルの海底を調査し、通常なら茶褐色のテーブルサンゴが、約50メートルの幅にわたって白化していることを確認した。昨年11月に潜った際は異常はなかったという。

 また、本来は全身が黄土色の魚、ヘラヤガラの体表が白っぽく変色していたほか、動きの速いブダイやウツボが近寄っても逃げないなど反応が鈍っていたという。

 白化は、栄養分をサンゴに与えて共生している「褐虫藻(かっちゅうそう)」と呼ばれる植物プランクトンが海水温の変化などに伴うストレスでサンゴから離れて生じる。白化が長期化すると死滅するとされる。

低水温で白く変色し、海中を漂うヘラヤガラ=和歌山県田辺市沖の沖島で、李友喜さん撮影

 気象庁によると、黒潮は通常、紀伊半島の約50キロ沖を流れているが、昨年8月下旬から約100キロ沖にずれる「大蛇行」が起き、黒潮の支流から流れ込む暖かい海水が紀伊半島に届かない状態が続いているという。

 田辺湾の海水温を観測している京都大白浜海象観測所(同県白浜町)によると、水深5メートルの平均海水温は昨年12月25日までおおむね17~19度で推移したが、元日から14度台になり、寒波到来後の1月26~28日には12度台に低下。2月に入ってもほぼ12~13度台と平年より約3度低い状態が続く。

 環境省自然公園指導員の中家(なかや)勝之さん(61)によると、黒潮が前回蛇行した2005年にも沖島周辺でサンゴの白化や死滅が確認された。その後、黒潮が元に戻り、生き残ったサンゴも産卵して徐々に復活し、10年ごろに05年以前の状態に戻ったところだったという。

 中家さんは「今回は浅瀬では黒潮の蛇行と寒風とのダブルパンチで海水温が下がり、サンゴも魚も耐えられなくなっているのでは」と話している。

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