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地裁川崎支部

過労事故死 通勤時も会社に安全配慮義務

和解成立 会社が遺族に謝罪、7590万円支払いへ

 勤務先からバイクで帰宅途中に事故死した社員の遺族が、事故が起きたのは過重労働が原因だとして会社側に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の和解が8日、横浜地裁川崎支部で成立した。橋本英史裁判長は、会社には、通勤時にも社員が過労により事故を起こさないよう配慮する義務があると判断し、和解を勧告。会社が遺族に謝罪し、約7590万円を支払うなどの和解条項に双方が合意した。

     過労により労働者が通勤時に起こした事故で雇用主の賠償責任を認めるのは異例。過労死防止法には「事故死」の規定はなく、原告側弁護団の川岸卓哉弁護士は「過労事故死を未然に防ぐ社会規範になる」と評価した。

     訴えたのは、植物装飾業「グリーンディスプレイ」(東京都世田谷区)の社員だった渡辺航太さん(当時24歳)の遺族。渡辺さんは2014年4月24日朝、22時間弱の徹夜勤務後に原付きバイクで帰宅中、電柱に衝突して亡くなった。渡辺さんの業務は深夜や早朝に及ぶため、会社はバイク通勤を認めていた。

     和解勧告は、渡辺さんが疲労蓄積と睡眠不足のため「居眠り状態に陥って運転を誤り、事故を起こした」と指摘した上で、「雇用主は、労働者の通勤に際し、過労で事故を起こさないよう注意する安全配慮義務を負う」と判断。「事故の危険を認識できたのに、公共交通機関を利用するよう指示しなかった」と義務違反を認めた。

     勧告は「過労死の撲滅は喫緊に解決すべき重要な課題で、社会全体の悲願だ」とも指摘。和解条項には、同社が(1)休憩時間を確保する「インターバル」の導入(2)仮眠室の設置(3)深夜タクシーチケットの交付--などの再発防止策を実施することが盛り込まれた。【太田圭介】

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