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再思三省

第59回 使わなくなった「教授の退官」

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「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

都合のいい手続き

 破算手続き→破産手続き

 債務の完済ができなくなった債務者の財産を、債権者に公平に分配するための裁判上の手続きです。こまごまと計算するので「破算」でも良さそうに見えますが、こちらは「ご破算(ごはさん、ごわさん)」の形で使われ、そろばんをリセットすること、また「今までの行きがかりを一切捨てて、元の何もない状態に戻すこと」(大辞泉)。破産手続きを経ても、都合よく何もなかった状態に戻るわけではありません。

辞書は決まりではない

 (広辞苑の)改定→改訂

 「広辞苑」の最新第7版と旧版で「改訂」を引くと、「改め訂正すること」(2、3版)▽「欠点を改めただすこと」(4版)▽「書物や文書などの欠点を直すなど、内容を改めること」(5、6版)▽「書物や文書などの内容や表現のしかたを改めること」(7版)と改訂の跡がたどれます。辞書は解説するものであって何かを定めるものではないので、「従来のきまりなどを改め定めること」(7版)を表す「改定」は合いません。

私立にせよ国立にせよ

 教授が退官→退職

 退官は官職をやめることで、官職とは「国の機関において、公務員が一定の職務と責任をもって占める地位」などと辞書は説明しています。まず、私立大の教員の引退を退官と書くのはそもそも不正確。加えて、2004年度から法人化され教職員が非公務員型となった国立大でも「退官は使われなくなり、現在は退職というのが一般的」(国立大学協会)だそうです。「○○先生退官記念パーティー」のような名残は今でもみられますが、記事で注意を要します。

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