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我らが少女A

/188 第5章 34=高村薫 多田和博・挿画監修

 あ--。ほんの一瞬、声未満の声が上田亜沙子の喉から漏れたかもしれない。しかし、数メートルの距離があった小野にはどのみち聞き取れなかった。いつもなら「雄太君」と呼びかけてくる人だが、そのときはその手間を惜しんだのか、あるいは何かしらバツが悪かったのか、困ったような苦笑いだけを残してすぐにビニール傘を開き、サンダル履きの足で駆けだしてゆく。

 その後ろ姿を見送りながら、小野は亜沙子のぶら下げていたレジ袋の中身が缶ビールとカップ酒だったことを…

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