特集

第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。阪神甲子園球場での熱戦全31試合をLIVE配信します。

特集一覧

勝負心・春

2018センバツ中央学院 第2部・支える人たち/2 アスレチックトレーナー 五十住峰輝さん /千葉

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
肩の筋肉を鍛えるバックプレスに取り組む部員に声をかける五十住峰輝さん=我孫子市都部の中央学院高校で 拡大
肩の筋肉を鍛えるバックプレスに取り組む部員に声をかける五十住峰輝さん=我孫子市都部の中央学院高校で

 <第90回記念選抜高校野球>

使える筋力鍛える 負荷かけず「ぶれない体」に

 今月4日。部員たちはグラウンドや屋内などで複数のグループに分かれ、バーベルスクワットやベンチプレスといった筋力トレーニングに取り組んでいた。「楽するな」「もっと胸を張れ」。苦しそうな表情を浮かべる部員たちに声をかけるのは公益財団法人日本体育協会公認アスレチックトレーナー、五十住(いそずみ)峰輝さん(49)=習志野市在住=だ。相馬幸樹監督(38)が以前所属していた社会人野球シダックス(2006年廃部)のトレーナーだった縁もあり野球部のトレーナーを務めている。

 07年。当時勤務していた東京都内の病院に、相馬監督が肘を痛めた部員を連れてやってきたのがきっかけだった。当初はマッサージなどが中心だったが、11年ごろからはトレーナーとして本格的に野球部に関わるようになり、現在では、大会スケジュールを考慮して時期に合わせたメニューを作り、月に1~2回ほど学校に訪れて直接指導にあたる。

 愛知県出身。小学校時代からサッカー一筋で順天堂大学時代もサッカー部に所属した。卒業して高校の非常勤講師を1年間務めた後、骨折や捻挫などのケアについて学ぶ専門学校に入学。体の基本を知るうちに「面白さから抜けられなくなった」。その後は、しんきゅう師やトレーナーとして工藤公康さん(54)=現福岡ソフトバンクホークス監督=らプロ野球選手につき、1990年代後半からはシダックスのトレーナーに。けがをした選手たちをサポートすることにやりがいを感じつつも「けがをしない体を作るようにすべきではないか」との思いを強くし、日ごろから選手に対して体作りのアドバイスをするよう心がけた。

 部員への指導について五十住さんは「基本的なことしかやっていない」と言う。こだわっているのは大きな負荷をかけずに体幹などを鍛え、ぶれない体を作ることだ。20~30キロのバーベルを上げて1分間キープ、約5キロのダンベルを片手で上げながら坂道ダッシュ--。どんなメニューであっても姿勢や、体のどこかをかばうような動きをしていないか常にチェックしているという。羽豆(はず)恭コーチ(28)は「単純なパワーをつけるというよりも動きの中で使える筋力が鍛えられるメニューが多い」と話す。

 部員たちもそうしたトレーニングの効果を実感している。大谷拓海投手(2年)は「下半身主導で動けるようになった。体が開きにくく、打撃でも待つことができるようになった。球速もアップした」と自信を見せる。

 かつては一部の部員に「やらされ感があった」と振り返るが、それでも、練習についていくのが精いっぱいだった部員がトレーニングを重ねてエースになったこともあり「成長する姿を見られるのは楽しい」と指導に喜びを感じている。現チームを「バランス良く成長している」と評すが、目指してほしいのは甲子園での勝利だけではない。あくまで「高校は通過点」と強調し、特に卒業後も野球を続けようと考えている部員たちに対しては「次のステップでも勝負できる選手になってほしい」と願っている。=つづく

関連記事

あわせて読みたい