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第94回センバツ高校野球

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若竹たちの挑戦

2018センバツ乙訓 強さの秘密/下 次の塁へつなぐ野球 /京都

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乙訓のシート打撃練習で、捕手がボールをはじいたすきに二塁を狙う走者=京都府長岡京市の同校グラウンドで、礒野健一撮影 拡大
乙訓のシート打撃練習で、捕手がボールをはじいたすきに二塁を狙う走者=京都府長岡京市の同校グラウンドで、礒野健一撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 部員全員が平等に練習をすることでチームの結束力を高め、考える練習で実戦対応力を磨く。そうして育まれた選手たちが目指す「乙訓野球」の理想とは何だろうか。市川靖久監督(35)は「次の塁への意識を常に持つ、つなぐ野球」と語る。

 昨秋の公式戦10試合で、乙訓はチーム打率3割5分3厘、1試合平均8・3得点を挙げた。対戦相手が強豪ぞろいの近畿大会でも、初戦は8得点、2回戦でも9得点を奪っている。府予選も含め全試合で先制点を挙げ、右腕・川畑大地投手(2年)と左腕・富山太樹投手(2年)の力投で守りきるのが勝ちパターンだ。

 数字を見ると強打のイメージがあるが、市川監督は「長打があるのは四番の宮田(康弘選手・2年)くらい。あとは何とかして走者を進め、相手にプレッシャーをかけていくしかない。バントや右打ちの精度を高め、走者も打球の見極めや相手のミスをつく一瞬の判断力を磨かなければならない」と説明する。

 そうした意識が選手に浸透していることを示すデータがある。近畿大会の3試合で、乙訓がアウトカウントに関わらず一塁だけに走者を置いた状況は18回あった。そのうち次打者の時にバントやヒット、盗塁などで走者が進塁したのは15回あり、6回が得点につながった。

 3試合全てで初回先頭打者として出塁した大上翔也選手(2年)は「リードを大きく取って相手バッテリーにプレッシャーをかけ、打者と一対一にさせない。捕手が少しでもボールをこぼせばスタートを切るつもりで集中している」と話す。

 試合で走塁を指示し、一瞬の判断力を最も必要とされるのが三塁ベースコーチだ。普段のシート打撃練習では、全選手が交代でその役割を担うが、新チーム結成後、公式戦は工藤裕貴選手(2年)が全試合を任されている。「勝負は試合前から始まっている」と、相手チームのノックを観察し、選手の肩の強さや外野手の打球への反応、バウンドの対応力など、さまざまな要素を頭にたたき込む。それをベンチ入りメンバー全員に説明し、どこに相手のすきが生まれやすいかを共有する。

 工藤選手は「無死一塁の場面、乙訓はバントもあるがランエンドヒットも多い。リスクの高い攻撃をするのだから、一、二塁ではなく一、三塁にしなければ意味がない。プレー中は進塁できることを忘れず、次の塁への意識を高めれば、センバツでも強豪に勝てる」と力を込めた。【礒野健一】

〔京都版〕

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