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全国の生産地を巡り、主に自然栽培の農作物を無店舗販売する「旅する八百屋 青果ミコト屋」(横浜市青葉区)が、創業8年目を迎え、独創的なスタイルで注目を集めている。消費者に本当に必要とされる品を取り扱い、人と人をつないで付加価値を生み出す、21世紀版の「行商」だ。
●産地回って吟味
キャンピングカーで全国各地の生産地を巡り、農家を一戸一戸訪ねる。ミコト屋の共同経営者、鈴木鉄平さん(38)と山代徹さん(38)は、創業当初から旅を続けてきた。年間70日程度は旅の空だ。生産者たちが、どんな場所で、どういう暮らしをして、どんな思いで作っているかを見聞きする。実際に食べ、おいしいと感じたものを自信を持って仕入れる。そして、消費者に直接届ける。
「彼らは人を思う気持ちが強く、大切に育てたものを大切に扱ってくれる」。2人に信頼を寄せる千葉県山武市の不破孝太さん(43)は、かつて食品流通会社のサラリーマンだった。退職して8年前に就農。農薬や肥料を一切使わず、自然栽培で約20種の野菜を育てている。農家は市場に出荷すれば、最終的に誰が食べるかを知らないままだ。ミコト屋経由なら、自分の野菜がどう売られているかが分かる。食べた感想も返ってくる。鈴木…
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